また、呉氏は「(2019年2月8日の)2018年12月期業績発表時点で申し上げた通り、2019年第1四半期売り上げがボトムになり、2019年第2四半期は第1四半期よりも回復する。その見方に変化はなく、業績発表時から急速に需要が減少したというようなことはない」とした。さらに在庫水準についても「2018年12月期業績発表時点で説明したように、自社在庫については、2018年12月時点で適正水準に戻った。ただ、特約店(販売代理店)の在庫は多い状態で、まだ理想的な水準ではないが、着実に減らしてきている」とした。
「2019年第2四半期売上高は、第1四半期を上回ってくることは確実だが、第3四半期以降の下期の需要は見通しにくく、大きく売り上げが回復しないという状況でも大丈夫な事業運営をしていこうとしている。7月以降も、需要に見合った形で工場稼働停止などを検討していく」という。
IDTの買収については、予定通り、2019年3月29日(米国時間)に買収に伴う支払いを実施し、買収を完了させる。「4月1日からIDTを買収して、事業をスタートしたいと思っていたが間に合った」と述べた。
IDT買収による効果について呉氏は「IDTのセンサーやアナログフロントエンド用ミックスドシグナルICと、ルネサスのマイコン、旧インターシルのパワーマネジメントICは相性が良い」とし、各製品を組み合わせたシステム提案を強化していく方針を改めて強調。買収完了後には、ルネサス、IDTの製品を組み合わせたシステム提案の具体例を15種類ほど、Webサイトなどで開示し、アピールする予定だという。
また、既存のルネサス製品とのセット提案が難しく、IDTの主力製品の1つであるサーバ/通信機器向けタイミングデバイスについては「自動運転時代の自動車では高速通信が必須になり、現状、データセンターで使用されるIDTのタイミングデバイスが必要になる」として、中長期的に相乗効果を発揮するとの見方を示した。
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