SiTime、5G向け温度補償型発振器を量産:動作温度は−40〜105℃に対応
SiTimeは、過酷な利用環境においても、5G(第5世代移動通信)ネットワークの時刻同期を高い精度で行うことができる温度補償型発振器(MEMS Super-TCXO)「Elite Platform SiT5356/5357」の量産を始めた。
SiT5356/5357の外観
SiTimeは2019年5月、過酷な利用環境においても、5G(第5世代移動通信)ネットワークの時刻同期を高い精度で行うことができる温度補償型発振器(MEMS Super-TCXOs)「Elite Platform SiT5356/5357」の量産を始めた。
新製品は、同社の強みでもある独自のMEMS振動子技術やアナログ回路技術、パッケージ技術および、温度補正技術などを生かして開発した。動作温度範囲は−40〜105℃と広く、±100ppbの周波数安定性と±1ppb/℃の周波数傾斜(ΔF/ΔT)を実現した。
新製品は工場出荷時に周波数や周波数安定性、電圧、周波数可変範囲などをプログラムできる。これにより顧客は、搭載するシステムに適したクロック構成にカスタマイズすることも容易で、製造のリードタイムを削減することができるという。また、複数のレギュレーターを内蔵しており、外部に専用のLDOを用意する必要がない。
5Gや4G+ネットワークでは、基地局が過酷な温度環境にさらされることも多い。この結果、無線同期が失われ、通信障害となる可能性もある、新製品は105℃までの温度範囲に対応することにより、過酷な環境下でも使用可能とした。
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