大日本印刷(DNP)は、反射率が低く擦り傷にも強い反射防止(LR)フィルムを開発した。タッチ機能付ディスプレイなどの用途に向ける。
大日本印刷(DNP)は2019年5月、反射率が低く擦り傷にも強い反射防止(LR)フィルムを開発したと発表した。2020年から発売する予定で、タッチ機能付ディスプレイなどの用途に向ける。
開発したLRフィルムは、反射率が0.3%でスチールウール試験による耐擦傷性は1500gを達成した。従来製品は、反射率が0.1%で耐擦傷性は700gとなっており、耐擦傷性/反射率で比較すると、開発品は約7倍も特性が改善されたことになる。
今回は、フィルムにコーティングする材料を新たに開発し、生産プロセスも見直した。これにより、低い反射率と優れた耐擦傷性を両立させることに成功した。開発したLRフィルムを用いることで、照明や外光の映り込みなどを抑え、テレビやデジタルサイネージ、カーナビゲーションなどのディスプレイ画面を見やすくすることができる。
この他、防汚性と埃付着防止性を高めた。これによって指紋などの汚れが付きにくくなり、汚れても拭き取りやすいことから、画面をクリーンな状態に保つのが容易となった。フィルムで反射する光の色も自然で、違和感はないという。また、視野角も広く横側からの視認性にも優れている。アルカリ性液体などへの耐性も高めた。
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