アイトラッキング(視線計測)技術の開発、提供を行うトビー・テクノロジーは、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)で、メガネ型のウェアラブル端末「Tobii proグラス2」や、据え置き型アイトラッカーの「Tobii pro X3-120」などの展示を行った。
アイトラッキング(視線計測)技術の開発、提供を行うトビー・テクノロジーは、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)で、メガネ型のウェアラブル端末「Tobii proグラス2」や、据え置き型のアイトラッカー「Tobii pro X3-120」などの展示を行った。
トビー・テクノロジーは、2001年にスウェーデンで設立されたTobiiの日本法人だ。2つの製品はいずれも既に提供しており、学術分野、ユーザビリティ研究、マーケティングリサーチなど、研究機関、大学や民間企業で幅広く利用されているという。今回の展示では、日本企業のソリューション事例も紹介されていた。
Tobii proグラス2は、視線計測機能を搭載したメガネ型のウェアラブル端末だ。近赤外のLEDと4つのアイカメラ、そして独自のアルゴリズムによって、精度の高いトラッキングを実現している。同時に、視野角160度のフルHDワイドシーンカメラで着用者の視野を高解像度で記録しており、着用者が視野の中でどこを見ているかを、測定用のPC上でリアルタイムで可視化する。専用の解析ソフトウェアを介することで、定量化されたデータの可視化や統計処理など、さまざまな分析が可能だという。
重量はバッテリーを含んでも312gで、度付きのレンズセットもオプションで用意されている。補正機能によって着用中の多少のズレはカバーされるほか、ヘルメットにフィットするようにデザインされたバージョンなどもあり、建設現場や工場などでの利用にも適している。
Tobii proグラス2の活用事例として特に多いのが、工場など各種現場での熟練者のノウハウの可視化だという。同社の広報担当者は、「熟練者がどこに注目しているのかなど、言語化しにくかったデータを実測できるので、技術の継承に役立てることができる」と説明している。
会場では、実際にJR西日本で、ベテラン車掌が電車のドアが閉まる瞬間にどこを見ているかなどの分析を行ったうえで、「京阪神エリアの全車掌への映像教育」や「新任車掌養成時の教育」に利用した例などが紹介されていた。
Tobii pro X3-120は、据え置き型のアイトラッカー。サイズは324×20×17mm、重量は118gでUSB接続で利用可能。PCや各種モニターに設置した状態でのユーザビリティ調査などのほか、企業の製品パッケージや店頭ディスプレイ、広告などの調査に利用できる。
会場では、3つの異なるパッケージの製品が表示されたモニターを使ったデモが行われており、視点の動いた順番や、視線が止まった時間などが、色や数字で可視化されている様子が確認できた。
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