Bluetooth SIG(Special Interest Group)は2019年6月12日、Bluetoothの市場トレンドや予測などをまとめたレポート「2019 Bluetooth Market Update」の日本語版を発表した。それによると、Bluetoothデバイスの年間出荷台数は、2019年から2023年にかけて年平均成長率8%で成長し、2023年には54億台に達する見込みだという。
Bluetooth SIG(Special Interest Group)は2019年6月12日、Bluetoothの市場トレンドや予測などをまとめたレポート「2019 Bluetooth Market Update*)」の日本語版を発表した。
*)市場調査会社のABI Researchの調査をベースにしている。
それによると、Bluetoothデバイスの年間出荷台数は、2019年から2023年にかけて年平均成長率8%で成長し、2023年には54億台に達する見込みだという。Bluetooth SIGでAPAC Senior Regional Managerを務めるLori Lee氏は、「Bluetoothデバイスの出荷台数は減少する兆しがない」と強調する。
現在、Bluetoothの主要市場は大きく分けて、「オーディオストリーミング」、スマートフォンからウェアラブル機器にデータを転送するといった「データ転送」、比較的新しい「位置情報サービス」、制御システムや監視システム向けの「デバイスネットワーク」の4つがある。
これら4つの中で、2023年までに最も大きな市場となりそうなのが、データ転送だ。「データ転送のアプリケーションは成長のスピードが速く、2023年には同市場向けのBluetoothデバイス年間出荷台数は13億5000万台に上ると予測している」(Lee氏)
一方で、2023年までに最も急成長を遂げるとされているのは、位置情報サービスである。Bluetooth 5.1で追加された位置情報検知機能は、到達角度(AoA:Angle of Arrival)や発信角度(AoD:Angle of Departure)を検知し、高精度に位置情報を測定するというもの。GPSなどの弱点である屋内での位置情報検知を安価に実現できる機能として、さまざまな分野からの関心が高いとLee氏は述べる。位置情報サービス市場向けに出荷されるBluetoothデバイスは、2023年には4億3100万台と予測されている。
Lee氏は「特に、スマートホームやスマートビルディング、スマートインダストリーといった分野からのニーズが高い。アプリケーションとしては、例えば博物館内での位置特定や、アイテムトラッキング(追跡)、ビーコンを使った道案内などが挙げられる」と述べる。
「この機能を利用して、米国の小売り大手Target(ターゲット)はBluetoothを搭載したLED照明システムを店舗に導入し、あらかじめスマートフォンに専用アプリをダウンロードしておけば、自分が探している商品がある場所まで案内してくれるというサービスを開始している。照明にBluetoothビーコン機能を統合したこのようなシステムは、米国の小売業トップ20社のうち、75%が導入しているという調査結果がある」(同氏)
位置情報サービスなど、Bluetooth技術にとって比較的新しい市場は、どちらかといえば産業寄りである。ただ、Lee氏は、Bluetoothの伝統的な市場であるオーディオストリーミングなど、民生市場の重要性は変わらないと述べる。同氏は「2023年にはスピーカーの約9割がBluetooth搭載になると予測されている。Bluetoothの既存市場は変わらず重要であり、民生市場向けにBluetooth技術の改善も図っている」と述べ、Bluetooth SIGが継続して行った機能改善により、Bluetoothのアプリケーションの裾野がさらに広がっていることを強調した。
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