今回のプロジェクトの一環として、KCLとNVIDIAの研究者やエンジニアたちが、ロンドンの複数の大病院において、現場で臨床医グループの活動に参加する予定だという。
NVIDIAの産業ビジネス開発部門で、EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域の医薬品・ヘルスケア・ライフサイエンス分野向けAIの責任者を務めるCraig Rhodes氏は、「このようなシステムを構築する上で、もう1つ重大な課題とされているのが、適任の専門家たちを集めた開発チームを作ることだ」と述べる。
同氏は、「研究チームを設立するに当たり、コンピュータサイエンティストやシステムエンジニア、アルゴリズム/AI分野の研究者だけでなく、臨床データや臨床システムに関する深い知識を持ち、コミュニケーションを介して効果的にシステムを構築することができる専門家たちを集めることは、非常に難しい」と指摘する。
AIシステムは、NVIDIAのスーパーコンピュータ「DGX-2」をベースとして構築する予定だ。DGX-2は、2PFLOPSの性能を達成するAIアクセラレーターボックスで、16個の「Tesla V100」GPUと、512GバイトのAIトレーニング用メモリを搭載するという。また、今回のプロジェクトでは、NVIDIAのAIツールキット「Clara」や、KCLと共同開発した畳み込みニューラルネットワークプラットフォーム「NiftyNet」の他、Kheiron MedicalやMirada、Scanなどのパートナー企業が提供する技術を採用するという。
Rhodes氏は、「医療データは、3Dと4Dの他、場合によっては5Dも使用する。このようなモデルの場合、メモリが大きなボトルネックとなる。最先端のモデルを学習させるためには、数多くのGPU全体でパラメータとメモリを同期できるシステムが不可欠だ」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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