フジクラは2019年7月、低温磁場中の臨界電流密度が従来の1.5倍以上となるレアアース系高温超電導線材の量産化に成功した。
フジクラは2019年7月、低温磁場中の臨界電流密度が400A/mm2と、従来の1.5倍以上を実現したレアアース系高温超電導線材の量産化に成功、販売を始めると発表した。
従来の超電導装置には、金属系低温超電導線材が用いられている。この線材を冷却するためには、高価な液体ヘリウム(−269℃)が必要となる。このため、高温でも超電導を示す高温超電導(酸化物系超電導)線材の実用化が期待されている。冷却するための設備やコストを低減できるからだ。
フジクラは、新エネルギー・産業技術総合開発機構が2016〜2018年度に実施した「高温超電導実用化促進技術開発/高磁場マグネットシステム開発/高温超電導高磁場コイル用線材の実用化技術開発」事業を受け、MRI装置に向けたレアアース系高温超電導線材の開発を行ってきた。
今回、温度が30K(−243℃)で磁場7テスラの環境において、臨界電流密度が400A/mm2に達するレアアース系高温超電導線材の量産化に成功した。
レアアース系高温超電導線材を用いた次世代MRI装置の開発も活発で、動作検証の作業も進んでいるという。こうした動きに合わせて同社は、コイル製品も含め新製品の事業を本格的に立ち上げる。
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