Maxim Integratedは2019年7月19日、東京都内で報道関係者向け説明会を実施。90nmプロセスによる新たなアナログ/ミックスドシグナル半導体製造プラットフォーム「P90」などについて説明した。P90を用いた製造を三重富士通セミコンダクターとUMCで実施していることも公表。同社の製造部門を統括するシニアバイスプレジデント、Vivek Jain氏は「高品質な製品の製造を、極めてハイボリュームに対応できる体制が既に整っている」と語った。
Maxim Integrated(以下、Maxim)は2019年7月19日、東京都内で報道関係者向け説明会を実施。90nmプロセスによる新たなアナログ/ミックスドシグナル半導体製造プラットフォーム「P90」などについて説明した。P90を用いた製造を三重富士通セミコンダクターとUMCで実施していることも公表。同社の製造部門を統括するシニアバイスプレジデント、Vivek Jain氏は「高品質な製品の製造を、極めてハイボリュームに対応できる体制が既に整っている」と語った。
P90は、90nmプロセスのベース部分を共通としつつ、用途に合わせた機能を付与することなどによって、さまざまな分野への転用を可能にしたMaximのプラットフォーム技術だ。Jain氏は、展開している製品として、スマートフォンやタブレットなどの民生向けの『P90C』、16Vに対応するデータセンターやクラウド向けの『P90B』、36Vに対応するヘルスケアや一般の産業向けの『P90D』、80Vに対応する自動車関係のソリューション『P90U』を紹介した。このうち、最もハイボリュームの製品は民生向けのP90Cだ。
90nmプロセスを採用するP90によって、どのようなメリットが得られるのか。Jain氏は、「尺度はいろいろとある」と前置きしつつ、3つの例を挙げて説明した。まずは、電力密度だ。180nmプロセスを利用した前世代の「S18」と比べ大きく改善しており、特に10V、14Vでは、約3倍の改善を実現しているという。
また、省スペース、省部品化についても、自動車向けのバッテリーマネジメントシステム(BMS)のICでは、前世代のS45(0.45μm)との比較で、ダイサイズを48%削減している。さらに、自動車のLED照明システムのICでは、ディスクリート部品で構成したものと比較すると、基板面積は47%減、部品数も機能統合によって40%減を実現しているという。
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