このP90を生産するのが、三重富士通セミコンダクターとUMCだ。Maximは既に、三重富士通セミコンダクターで製造したP90プラットフォームによるPMIC (パワーマネジメントIC)を、2017年12月からSamsung Electronicsの「GalaxyS9」「Note9」向けに出荷していることを明かした。これまでに、1億ユニット以上を出荷しているという。
三重富士通セミコンダクターとUMCを、新たなパートナーファブとして選んだ理由について、Jain氏は、「90nmのテクノロジーノードに合う最先端のリソグラフィとCu配線の技術が必要だった。長期的な提携をしていかなければならない中で、2社が優れていると判断した」と説明。三重富士通セミコンダクターが既に自動車関連での高い技術力や実績を有している点も、キーポイントだったという。三重富士通セミコンダクターは、Maximにとって、セイコーエプソンに続く、日本で2番目のパートナーファブとなった。
Maximでは、過去12年間で製造体制を自社主体から外部委託主体に大きく変えると同時に、生産能力を2.5倍に増強してきた。Jain氏は、「外部のパートナーとのネットワークを強力に持つことで、何らかの形で需要が急増しても対応が可能になっている。(パートナーファブを含む)われわれの現有生産能力だけで、増強なく40%ほどの売り上げ増加に対応できる」と話していた。また、Maximは、P90を三重富士通セミコンダクターととUMCの2カ所に展開しているように、同一プロセスによる製造を複数拠点で実施する体制を構築している。Jain氏は、「何かあっても相互補完でき、柔軟性をもって継続的に商品提供が可能だ」とも強調した。
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