また同氏は、「コアエッジコンポーネントへの移行に関する側面の一つとして、議論が進むにつれ、コアコンポーネントの他に、仮想化RAN(Radio Access Network)も登場するという点が挙げられる。これはつまり、コアとRANを簡単に区別することができなくなり、もはや物理ボックスではなくなるということだ。市販の汎用ハードウェアの最上部に配置され、オープンソースソフトウェアとともに、あらゆる種類のネットワーク機能で使用されるリソースを提供することにより、5Gネットワークを構成する」と述べる。
一方でVodafone UKのCTO(最高技術責任者)を務めるScott Petty氏は、「クラウドベースのインフラのコアネットワークは、さらに分散化できるとする見解は、物理的には正しいといえるだろう。ネットワークの論理的構成は変わらない。無線基地局と全てのコアネットワークエレメントとの間には、IPsecなどのセキュリティゲートウェイを介したモバイルエッジコンピューティングなどのように、境界線があり、ゲートウェイは、コアネットワークとエッジネットワークの間のセキュリティの分離を維持している。これは、5Gでも変わることがなく、当社の設計でも決して変更されることはない。IPsecを取り除くことは技術的には可能だが、決して外すべきでない重要なセキュリティレイヤーを取り除いてしまうことになる」と述べている。
コア対エッジに関する議論のポイントは、5Gの導入により、企業や国にとって、機密情報にいかに容易にアクセスできるようになるのかという点を、理解することにある。
Huaweiのグローバルサイバーセキュリティ/プライバシー部門の責任者を務めるJohn Suffolk氏は、倫理的問題や、天安門事件、人権に関する同社と同氏個人の見解などの他、特に、中国政府がネットワークへのアクセス提供を指示することが可能なのかどうかといった点について、かなり攻撃的な厳しい質問を受けた。
Suffolk氏や、証言を行った他の人たちは、基本的に、ネットワークデータへのアクセスを管理しているのは、機器メーカーではなくネットワーク事業者である、という点を明確に示した。Huaweiは、「当社は厳重な監視下にあるため、もし悪意ある行動に携わるようなことがあれば、見過ごされるはずがない。他の通信事業者たちも述べているように、他のメーカーに仕事を回されてしまうことになるだろう」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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