遅れに遅れたIntelの10nmプロセスで製造された最初のプロセッサ「Ice Lake(開発コード名)」に対する反応は、さまざまだ。「統合されたグラフィックス機能は良いが、CPU自体の改善はやや控えめだ」という声もある。
遅れに遅れたIntelの10nmプロセスで製造された最初のプロセッサ「Ice Lake(開発コード名)」に対する反応は、さまざまだ。「統合されたグラフィックス機能は良いが、CPU自体の改善はやや控えめだ」という声もある。
Ice Lakeは、Intelの第10世代「Core」プロセッサである。2019年8月1日(米国時間)に発表された。今回は11製品が発表されたが、いずれもノートPC向けである。Wi-Fi 6とThunderbolt 3に対応し、現行チップの2倍となる最大64個のGPU実行エンジンをサポートする。熱設計電力(TDP)は、14nm世代チップの35Wに比べ、9〜28Wに抑えられている。
Intelによれば、1サイクル当たりの命令処理数は前世代に比べて18%改善するという。動作周波数は、14nmプロセスのチップよりも低い。
Ice Lakeは、ディープラーニングの推論を加速する拡張命令をサポートする他、音声処理やノイズ抑制などのバックグラウンドのワークロードを超低消費電力で処理し、バッテリー寿命を最大化する専用エンジン「Gaussian & Neural Accelerator(GNA)」を実装している。
PCMagのレビューでは、「新しいCPUは、一刻も早く新しいノートPCを購入したくなる! という熱烈な欲求を生じさせるものではないが、オンボードグラフィックス機能については大幅な向上をもたらすだろう」と評価している。
Anandtechのレビューでは、「LPDDR3-2133からLPDDR4X-3733に移行するという、メモリ速度の大幅な向上がなければ、『Core i7-1065G7 Ice Lake』プロセッサと『Core i7-8565U Whisky Lake』の性能は同等レベルだと思うユーザーも多かったかもしれない。Ice Lakeが最も優れている機能の一つはグラフィックスだ」としている。
IntelのノートPC向けプロセッサの成長率は、「過去1年間のいずれの四半期においても、IC世界市場(メモリを除く)の成長率よりも高かった」と、Instinet(野村ホールディングスが買収)でアナリストを務めるDavid Wong氏は述べる。「Ice Lakeの出荷の増加により、IntelのノートPC向けプロセッサの売上高は、2019年7〜9月期および10〜12月期において増加する可能性が高い」(同氏)
今回発表したチップは、Intelが2018年後半に出荷を目指していたものだった。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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