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独自構造で高速伝送&高信頼性実現のコネクター車載コネクターも全て網羅

日本航空電子工業は「CEATEC2019」(幕張メッセ、2019年10月15〜18日)で、2点接点による高い接触信頼性と8Gビット/秒(PCleGen3規格相当)の高速伝送を両立した基板対基板フローティングコネクター「AX01シリーズ」などを紹介した。

» 2019年10月23日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 日本航空電子工業は「CEATEC2019」(幕張メッセ、2019年10月15〜18日)で、2点接点による高い接触信頼性と8Gビット/秒(PCle Gen3規格相当)の高速伝送を両立した基板対基板フローティングコネクター「AX01シリーズ」などを紹介した。

基板対基板フローティングコネクター「AX01シリーズ」(クリックで拡大)

独自構造で「業界初」を実現

 AX01シリーズは、同社が産業用途向けに開発したフローティングタイプの基盤対基板コネクターだ。フローティング稼働量はXY方向±0.5mmで、嵌合ガイドによる誘い込む量はXY方向に±1.0mm。説明担当者は、「ロボット組み立てなどで発生する位置ずれにも対応できる。また、振動にも強くなり、耐久性も担保できる」としている。

 同社が最大の特長として挙げるのが、8Gビット/秒の高速伝送を「2点接点構造」で実現した点だ。従来、2点接点構造をとった場合には、「どうしても伝送速度に限界があった」というが、同社は今回、スタブレスな独自の接点構造を作りることで、この課題を「業界で初めて」(同社)克服したという。

 説明担当者は、「現在の産業用機器は、1Gビット/秒程度の伝送で対応できるものが多いが、今後、画像の取り込みやセンサー搭載数の増加によって高まると予測される需要に対応していく」としている。同社は今後、車載向けの製品投入も計画しているという。

 定格電流は0.5A、定格電圧はAC50Vrms、使用温度範囲は−40〜+105℃。極数は30〜140極までの製品を用意している。展示してあったのは嵌合高さ14〜30mmまでの製品だったが、2020年中には、嵌合高さ8〜14mmまでの製品もリリース予定としている。

車載コネクターを「全て網羅」

 同社は車載分野を重要市場と位置付けており、今回、車載用エアバッグ用スクイブコネクター「MX72A/Bシリーズ」などの製品を、実際に組み合わせた接続例として展示していた。

各種コネクターを組み合わせた接続構成例。左がエアバッグシステム、右が電子インナーミラー(クリックで拡大)

 エアバッグシステムに関しては、運転席、助手席、後部座席の各エアバッグに接続するスクイブ(発火装置)コネクター「MX72A/Bシリーズ」や防水中継コネクター「MX36シリーズ」および非防水中継コネクター「MX37シリーズ」から伸びる導線が、エアバッグECU用多極コネクター「MX67Aシリーズ」にまとめられるコネクター接続構成が、自動車を模した模型上に設置されていた。同様に、電子インナーミラーのコネクター接続構成も展示していた。

 同社の説明担当者は、「これまでは製品の紹介を行うだけだったが、製品が具体的にどのように使われているかを分かりやすくした。日本航空電子工業の製品のみで、全てを網羅できるのが強みだ」と説明している。

航空宇宙で培った技術を生かす

 同社が開発中の小型軽量MEMS-IMU「JIMS-80S」のデモも実施していた。JIMS-80Sは、MEMSジャイロ3軸、加速度3軸を1つのパッケージに搭載し、姿勢角、レート、加速度出力を高精度に検出。幅54×奥行き110×高さ29mm、重さ220g以下と小型軽量ながら、防水防じんの規格「IP67」対応などの特長を持つ開発中のIMUだ。同社がIMUの提供における強みとして強調するのは、独自のアルゴリズムによる高精度の補正技術だ。説明担当者は、「航空宇宙分野などで培ってきた経験から、われわれは使い方に応じた最適解が分かっている。また顧客によって、『この部分の性能を重視してほしい』などのニーズも自由に設定が可能だ」と話していた。

左=MEMS-IMU「JIMS-80S」/右=シャベルを模したロボットアームに取り付けたデモを行っていた(クリックで拡大)

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