NECと日本航空電子工業は、幅広い通信方式に適応できる極めて小さい高性能アンテナを開発した。高いアンテナ放射効率と世界最小級のサイズを実現した。
NECと日本航空電子工業は2018年10月、幅広い通信方式に適応できる極めて小さい高性能アンテナを開発したと発表した。
NECはこれまで、人工材料「メタマテリアル」の構成要素の一種であるスプリットリング(SR)共振器を、アンテナの素子として採用した小型のμSRアンテナを供給してきた。新製品は、NECのアンテナ技術と、日本航空電子工業の精密加工技術を融合させ、表面実装部品タイプのアンテナを共同で開発した。アンテナの外形寸法は2.4GHz帯向けが11.5×6.9mm、5.9GHz帯向けが6.7×3.8mmである。
μSRアンテナは、アンテナ放射効率(アンテナ性能)も90%以上と極めて高い。この結果、従来の小型チップアンテナに比べ、通信エリアを30%以上も拡大できるという。また、実装する場所の制約が少ないのも特長だ。開発したアンテナは、独自のSR共振器を用いるため、基板のコーナー以外に実装しても、高いアンテナ性能を得ることができるという。
新製品は、Wi-FiやBluetooth、V2X(Vehicle-to-Everything)、LPWA(Low Power Wide Area)など、幅広い通信方式に適用することができる。このため、携帯通信機器や車載機器、ネットワーク家電などの用途に提案する計画だ。
なお、日本航空電子工業は、開発したアンテナの試作品を、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉・幕張メッセ)の自社ブースに展示する予定だ。
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