説明会では、SEMIで市場調査統計部門ディレクターを務めるClark Tseng氏も登壇し、2020年における半導体市場の展望を説明した。
Tseng氏は、主要な市場調査会社の予測を紹介。どの調査会社も、厳しい市況が続いた2019年に比べ、2020年は回復基調になると見ていると述べた。
工場の設備投資については、「最先端のロジックICや、メモリへの投資の回復、中国の半導体プロジェクトなどによって、2020年は堅調に成長する」と説明。特にメモリ市場では、NAND型フラッシュメモリが2020年前半に回復の兆しを見せるものの、DRAMについては引き続き低迷する状態が続く見込みだとした。ただし、それ以降は、中国のメモリ立ち上げプロジェクトが、メモリ市場を加速するだろうと述べている。
中国では、ついにDRAMメーカーChangXin Memoryが誕生するなど、メモリの開発と製造を強化する動きが活発になっているが、Tseng氏は中国のメモリ市場について「まずはニッチな市場に向けた、低容量および中容量の製品が主流となり、中国の機器メーカーに使われ始めるだろう。ただ、今後5年くらいたてば、中国のメモリメーカーがある程度のシェアを持ち始めるのではないか」と語った。
ファウンドリーとロジック分野は、最先端のプロセス技術への投資に後押しされると予測する。特に5nm/7nm/10nmプロセスとEUV(極端紫外線)リソグラフィの導入に向けた投資が2020年も続くと、Tseng氏は述べる。最先端プロセスだけでなく、28nm以前のレガシーのプロセスへの投資も、中国での工場建設によって増加する見込みだ。
Tseng氏は、米中および日韓の貿易戦争についても触れ、終息の時期が見えないことから、サプライチェーンの見直しと移行や、半導体の内製化が加速する可能性もあると述べた。
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