今回、筆者が実際に1、2カ月目の内容を体験してみた。
1カ月目の内容は、開発環境の用意やRaspberry Piの起動、設定まで。手元に届くのはRaspberry Pi Zero WHや、詳細説明が書かれた小冊子のほか、microSDカード、microUSB電源アダプター、miniHDMI-HDMI変換ケーブル、USB-microUSB変換アダプター、シェルコマンドチートシート、高強度ケース。別途、PC(Windows10/macOS/Linux)と2.4GHzのWi-Fi環境、そしてHDMI端子のあるディスプレイやHDMIケーブル、USBキーボードが必要となる。
オンラインテキストは、「IoTの定義」といった内容から始まり、開発/運用スタイルについての説明やその準備、そして公式OS「Raspbian」、Pythonのセットアップなどについて説明。ダウンロードサイトのリンクはもちろん手順やコードまで詳しく記載されており、プログラミング/電子工作ともに経験がない筆者でもスムーズに進めることができた。
2カ月目にはEnviro pHATが届き、実際に温度、気圧、光量などのデータをセンシングしてグラフ化する作業を行う。「Enviro pHATとは何か」から始まり、搭載しているセンサーやそれぞれが使用しているピンなどの情報を含めて説明している。
その後は、実際にPython3を用いた制御に入る。まずは対話モードを試したあと、「スクリプトを作る」「Webページを作る」クラウド可視化サービスを利用して「可視化する」と発展。さらに管理のためのクラウドサービスの設定や、自動的な起動、エラー処理などの「継続的動作」のためのプログラミングなどまで進む。ここでも、順を追った説明はもちろん、それぞれ必要なスクリプトも既に用意されている。
このように1、2カ月は「初めてラズパイを手にする人」でも記載されている通りに進めていけば一通りこなすことができる内容となっていた。Pythonの基礎などについては参考文献の紹介もされているので、並行して学習していけば確実に身に付けていけるだろう。
初心者以外にとっては、ここまでは退屈な内容かもしれない。ただ、「まずはやってみる」という取り組みやすさを重視した形を維持しつつ、4カ月目からはカメラモジュールやスピーカーと組み合わせ、エッジAIを用いたIoTシステムを実際に作成することになる。さらに応用編(Raspberry Pi 3B̟+を使用する)からは、ニューラルネットワークの動かし方の実践、AIモデル構築の学習まで及び、最終的にはUIなども含めた『オリジナルのIoTシステム』を作り上げることをゴールとしており、スキルアップ目的としても意義はあるだろう。
講座の申込みは2020年1月31日まで。価格は基礎編〜応用編まで一括払いの場合43万5100円(税抜き)。デアゴスティーニ・ジャパンのWebサイトで受け付けている。
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