「ネット商社の重要性高まる」、日本でも好調なマウザー:自動化に注力した新倉庫も建設中(2/2 ページ)
Mouserは米国テキサス州ダラスに倉庫を保有していて、そこから全世界に部品を発送している。現在は、同じ敷地内に新しい倉庫の拡張を進めているさなかだ。新倉庫では、自動化に力を入れている。勝田氏は「現在は、部品をピックアップするところを人手に頼っているが、そこを自動化できれば効率化につながる」と説明する。ただし、「発注してから出荷までのリードタイム」が、現在の平均15分からどのくらい短縮されるかについては、まだデータが出ていないという。自動化システムは新倉庫でテストを行っており、実際の稼働は2020年第2四半期を予定している。
米国テキサス州ダラスにあるMouserの倉庫。Mouserが保有する倉庫は、ここ1カ所のみだ 出典:マウザー・ジャパン(クリックで拡大)
倉庫の内部。発注から出荷までの平均リードタイムは15分 出典:マウザー・ジャパン(クリックで拡大)
新倉庫では、ロボットで製品をピックアップする自動化を進めている。ロボット(画像内のオレンジ色の物体)の下には、部品を保管しているトレイが多数並んでいて、ロボットが下がっていって部品をピックアップし、ベルトコンベヤーに載せるという 出典:マウザー・ジャパン(クリックで拡大)
エレクトロニクス/半導体のディストリビューターを取り巻く環境は変化しつつある。2019年7月には、Texas Instruments(TI)が国内外で代理店のリストラを決行すると発表した。
TI以外の半導体メーカーや部品メーカーでもこうした動きが出てくるのかどうかは現時点では不明だが、これについて勝田氏は「部品が入手しにくくなって最も困るのは設計者だ。われわれは、設計者が困ることがないよう、状況を見ながら対応していく」と述べた。
さらに、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる影響についても、「サプライチェーンへの影響を含め、Mouser本社の経営陣も非常に懸念している。現在、対策などを話し合っていると思われるが、日本法人への具体的な指示は、まだ来ていない」と語った。
- 業績は右肩上がり、倉庫増設でロボット導入も
Mouser Electronics(マウザー エレクトロニクス、以下Mouser)は2019年5月23日、東京都内で記者会見を開催し、同社の業績や戦略について説明した。
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半導体/電子部品のディストリビューターであるMouser Electronics(以下、Mouser)が順調に売上高を拡大している。2016年に10億米ドル、2017年には13億米ドルを達成し、2018年には19億米ドルを達成する見込みだ。
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AI(人工知能)や5G(第5世代移動通信)といったトレンドに後押しされ、技術の進化や競争の激化が著しいデジタルICの分野に比べ、アナログICは比較的ゆっくりと、だが着実に成長を続けている分野だ。ここ数年で、アナログ技術にはどのような進化があったのか。Analog Devices(ADI) でシニアスタッフデザインエンジニアを務める楠田義憲氏に、オペアンプの技術動向や、旧Linear Technologyとの合併後の開発体制などを聞いた。
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