ルネサス、RX23E-A用スタータキットを発売:アナログ特性をnVレベルで評価
ルネサス エレクトロニクスは、高精度A-Dコンバーターを内蔵した32ビットマイコン「RX23E-A」用の開発スタータキット「RX23E-A用RSSK」を発売する。
ルネサス エレクトロニクスは2020年3月、高精度A-Dコンバーターを内蔵した32ビットマイコン「RX23E-A」用の開発スタータキット「RX23E-A用RSSK(Renesas Solution Starter Kit)」を発売すると発表した。
RX23E-A用RSSKは、分解能24ビットのΔΣ型A-Dコンバーターを内蔵したRX23E-Aを評価するためのハードウェアやソフトウェア、開発ツール一式をキットにしたもの。参考価格(税別)は464米ドルである。
RX23E-A用RSSKの外観
RX23E-Aは、産業用IoT(モノのインターネット)センサー機器向けマイコン。補整なしで0.1%未満の精密な計測を可能にするAFE(アナログフロントエンド)を内蔵している。このキットを用いることで、AFEを設計した経験がない技術者でも、ナノボルト(nV)レベルのアナログ特性まで、正確に評価することができ、センシング機器の精度向上と開発期間の短縮が可能だという。
キットに含まれる評価ボードには、はんだ付けしなくても各種センサーを接続できる差し込み式の端子台や熱電対用コネクター、熱電対計測に必要となる基準接点補償回路などが実装されている。このため、ウェブからダウンロードした熱電対や重量計測用のアプリケーションノートを参照すれば、比較的簡単に組み込みシステムの評価を始めることができる。
評価ボードはエミュレーターも接続でき、ユーザーはアプリケーションを容易に開発することが可能である。RS485やCAN用のドライバーICも評価ボードに搭載しており、産業ネットワークに対応したアプリケーションの開発も行える。
付属のGUIツールを用いれば、AFEやA‐Dコンバーターの各種パラメーターを設定し、システムに応じた特性評価を行うことができる。GUIはA-D変換した結果を、グラフやヒストグラムで表示する機能も備えている。
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