サムスン、ザイリンクス製「Versal ACAP」を採用:世界規模の5G商用運用で連携
Xilinx(ザイリンクス)によると、Samsung Electronics(サムスン電子)は第5世代移動通信(5G)商用製品に、Xilinx製マルチコアヘテロジニアス演算プラットフォーム「Versal ACAP」を採用した。
Versal ACAPの外観
Xilinx(ザイリンクス)は2020年4月、同社のマルチコアヘテロジニアス演算プラットフォーム「Versal ACAP(Adaptive Compute Acceleration Platform)」が、Samsung Electronics(サムスン電子)の第5世代移動通信(5G)商用製品に採用されたと発表した。
Versal ACAPは、XilinxがこれまでのFPGAやCPU、GPUとは全く異なる新たなカテゴリーと位置付ける製品群。「Arm Cortex-A72」コアや「Arm Cortex-R5F」コア、200万を超えるロジックセル、DSPエンジンなどを集積している。AIエンジンを搭載したシリーズも用意している。
5Gシステムでは、ネットワーク容量を拡大するための高度なビームフォーミング技術などが用いられており、複雑な信号処理を少ない電力消費でリアルタイムに行う必要がある。このためには、高い演算密度や高速な接続技術、優れた放熱技術などが要求される。さらに、運用開始後に開発されたアルゴリズムや新規格への対応も柔軟に行う必要がある。
Versal ACAPは、こうしたニーズに対応可能な製品である。SamsungもVersal ACAPを活用することで、より高性能な5Gシステムを早期に実現し、グローバル市場での競争力を高めている。既に、早期アクセスのユーザーに対しVersal ACAPの出荷を開始。一般ユーザーに対しても、2020年第4四半期より出荷を始める予定である。
- Xilinx、7nm新デバイス「Versal」を出荷
Xilinxは2019年6月18日(米国時間)、既存のCPUやGPU、FPGAとは異なる新たなデバイスとして開発するACAPとして初の製品となる「Versa AIシリーズ」「Versal プライムシリーズ」の出荷を開始したと発表した。
- ザイリンクス、新たな統合開発環境を提供開始
ザイリンクスは、「ET&IoT Technology 2019」で、新たな統合ソフトウェアプラットフォーム「Vitis」や、データセンターワークロード向けアクセラレーターカード「ALVEO」などを紹介。ALVEOを用いエッジ側でAI処理を行い、人の顔や物体を認識するデモ展示を行った。
- ザイリンクス、アクセラレーターカードを追加
ザイリンクスは、Alveoデータセンターアクセラレーターカードの新製品として、ロープロファイルでPCIe Gen4に対応した「Alveo U50」を発表した。
- Xilinx、日本の金融市場への拡販を強化
Xilinx(日本法人:ザイリンクス)は2019年9月18日、金融業界向け事業に関する記者説明会を開催し、同業界に向けたFPGA関連製品の展開を強化していくことを強調した。
- 主要メーカーの5Gモデムが出そろう、量産も本格化
米国の「CES」に相当する欧州最大の家電展示会「IFA2019」(2019年9月6〜11日)がドイツのベルリンで開催され、Huawei、Samsung Electronics(以下、Samsung)、Qualcommの各社が5G(第5世代移動通信)モデムを統合したモバイルプロセッサを発表した。
- 5G-SEP候補の勢力図、上位3社は変わらず
情報通信関連技術の調査などを行うサイバー創研は、3GPPの5G標準必須特許(5G-SEP)に関する調査を行った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.