Xilinxは2019年6月18日(米国時間)、既存のCPUやGPU、FPGAとは異なる新たなデバイスとして開発するACAPとして初の製品となる「Versa AIシリーズ」「Versal プライムシリーズ」の出荷を開始したと発表した。
Xilinxは2019年6月18日(米国時間)、既存のCPUやGPU、FPGAとは異なる新たなデバイスとして開発するACAPとして初の製品となる「Versa AIシリーズ」「Versal プライムシリーズ」の出荷を開始したと発表した。
ACAPは、同社が「全く新しい製品のカテゴリー」と位置付ける、7nmプロセスを用いた新たなデバイス製品群だ。同社は2018年10月、Versalの概要や今後のロードマップを発表していた(関連記事:必要なのは“適応力”、Xilinxが7nmプラットフォーム「Versal」を発表)。同社のCEO、Victor Peng氏は、「ソフトウェアとハードウェアへの長年の投資と、過去35年間にわたって弊社が積み重ねてきたアーキテクチャに関する知識および経験の集大成だ」としている。
今回、出荷を開始したAlコアシリーズとプライムシリーズは、同社のアーリーアクセスプログラムを通じ、複数の顧客に出荷をしているという。Peng氏は、「VersalACAPはテクノロジーの大きな変革の渦となり、あらゆるアプリケーションと全ての開発者に向けて、ヘテロジニアスコンピューティングアクセラレーションという新しい時代を切り開くのに大きく貢献すると考えている」と述べている。
両シリーズにはArm「Cortex-A72」ベースのアプリケーションプロセッサ、「Cortex-R5F」ベースのリアルタイムプロセッサ、200万を超えるロジックセルの適応型ハードウェア、高精度の浮動小数点演算と低レイテンシを実現するよう最適化された3000以上のDSPエンジンが含まれる。AIコアシリーズには、AI推論および高度な信号処理ワークロードに最適化された最大400のAIエンジンを搭載している。
AIコアシリーズは、「最新のサーバクラスCPUより計算速度を100倍以上向上させることができる」というAIエンジンによって、高いAI推論処理能力と性能を実現しているのが特長。Versalのポートフォリオの中でも最高の演算性能と最小のレイテンシを達成しているという。クラウドやネットワーキング、自動運転といったアプリケーション向けに最適化されたシリーズであり、同社は「業界で最高のAIおよび、ワークロードの高速化を可能にする」としている。
プライムシリーズは、Versalのミッドレンジ品と位置付けているもので、多様なワークロードのコネクティビティおよび、インラインアクセラレーション向けに最適化されている。同社は、100G〜200Gバイト/秒のネットワーク機器やデータセンターのネットワークおよび、ストレージアクセラレーション、通信テスト装置、放送機器、航空宇宙機器、防衛機器など幅広い用途を見込んでいる。
AIコアシリーズと、プライムシリーズの正式なリリースは、2019年下半期を予定している。
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