ルネサス エレクトロニクスは、消費電力が極めて小さい組み込みコントローラ「RE01」グループとして、内蔵のフラッシュメモリ容量が256kバイトの新製品を追加した。外形寸法が約3mm角の小型パッケージ品も新たに投入する。
ルネサス エレクトロニクスは2020年7月、消費電力が極めて小さい組み込みコントローラ「RE01」グループとして、内蔵のフラッシュメモリ容量が256kバイトの新製品を追加した。外形寸法が約3mm角の小型パッケージ品も新たに投入する。スマートホームやスマートビルディング、環境センシングなどに用いる小型IoT機器に向ける。
REファミリーのRE01グループは、SOTB(Silicon On Thin Buried Oxide)プロセス技術を用い、消費電力を大幅に低減した組み込み機器向けコントローラである。新製品の「R7F0E01x82xxx」は、動作周波数が最大64MHzのArm Cortex-M0+コアを搭載し、256kバイトのフラッシュメモリと128kバイトのSRAMを集積している。
消費電流は動作時が25μA/MHz(内部のLDO使用時)、スタンバイ時で400nAと極めて少ない。また、同社製DC-DCコンバーターIC「ISL9123」と組み合わせることで、動作時の消費電流を12μA/MHzまで下げることができる。
動作電圧範囲は1.62〜3.6Vで、1.62Vより最大周波数の64MHzで動作可能だという。この他、エナジーハーベスト制御回路や、消費電流が約4μAの14ビットA-Dコンバーターなどを搭載している。
パッケージは、外形寸法が3.16×2.88mmの72端子WLBGAの他、7mm角の56端子QFN、14mm角の100端子および10mm角の64端子LQFPなどを用意した。
新製品は、EEMBCのULPMark-CP(CoreProfile)スコアで、「705」の認証を取得するなど、エネルギー効率が世界トップクラスにあることも実証した。
新製品は既にサンプル品の出荷を始めており、2020年7月末より量産出荷を予定している。参考価格(税別)は、64端子LQFP品の「R7F0E01082CFM」で、1万個一括購入時の単価が3.33米ドルである。
なお同社は、評価キット「EK-RE01256KB」を用意しており、2020年8月末より販売する。このキットに含まれる評価ボードには、DC-DCコンバーターIC「ISL9123」を実装している。エナジーハーベスト素子用インタフェースや二次電池接続用インタフェースに加え、Arduino互換インタフェースや無線機能などを拡張評価するためのPmodコネクターなども備えている。
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