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車載電子部品のEMC試験に特化、愛知に試験所を新設テュフ ラインランド(2/2 ページ)

» 2020年08月03日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]
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EMC特化の新試験所、試験規模は数十倍に

 MTCは2階建てで、延べ床面積は1154.6m2。車載機器用電波暗室を2室、車載機器とワイヤレス機器兼用の電波暗室を1室、シールドルームを1室などを有し、ECUや電気、電子機器のEMC試験、スマートキーレスをはじめとしたSRD(短距離デバイス)の無線試験が可能となっている。

右=車載機器用電波暗室/中=車載機器とワイヤレス機器兼用の電波暗室/右=シールドルーム 出典:テュフ ラインランド ジャパン

 試験能力としては、EMI試験では対応規格のCISPR 25やISO 7637-2をはじめ自動車メーカー独自のスペックに対応。EMS試験でも、対応規格のISO 11452-2〜5/8〜9、ISO 7637-2〜3、ISO 10605、IEC6100-4-2のほか、自動車メーカー独自スペックにも対応する。電界強度は200V/mまで対応。有馬氏は、「法規の要求電界強度は30V/mだが、車載メーカースペックの対応にはこの能力が必要となる」と説明していた。無線試験については、欧州の無線規格であるEN 300 220、EN 300 330、EN 300 328や、EN 301 489-1など多くの規格に対応している。

各試験能力の概要 出典:テュフ ラインランド ジャパン

 MTCは横浜市の「テクノロジーセンターGTAC」、大阪市の「関西テクノロジーセンターKTAC」、福岡市の「九州EMCラボラトリー」に次ぐ4カ所目の試験所となる。EMC試験についてはこれまで横浜、福岡で対応していたが今後のニーズ拡大に向けて能力を増強した形で、「従来の数十倍の規模に増強したといえる」という。また、自動車メーカー独自のスペックの対応が可能な初の試験所となる。立地については、「自動車メーカーおよび車載部品のサプライヤーが集まる中部地方に作るのが最適と考えた」と説明。地域のハブ駅となっている知立駅から徒歩約10分に位置している。

右=テュフ ラインランド ジャパンのラボ/左=MTCの立地について 出典:テュフ ラインランド ジャパン

 なお、足元では新型コロナ感染症(COVID-19)感染拡大が自動車市場に大きな影響を及ぼしているが、有馬氏は、「(同社の手掛ける試験、認証サービスは)販売台数に影響されるのではなく、新技術や新製品の種類に対応するものであり、クルマの電動化は今後も進むとみられることから、直接的な影響はないと考えている」と説明。さらに、CASE関連の技術開発については、「ドイツと日本が世界の中でも先進的な開発をしていると認識している」とし、日本市場の重要性を強調していた。 

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