ドライバや保護回路を集積した車載用650V GaN FET:600Vの産業用も、日本TI(2/2 ページ)
こうした特長から、車載用の「LMG3525R030-Q1」では、電気自動車(EV)に搭載される充電回路のサイズを、既存のSiやSiCソリューションと比較し最大50%縮小できるという。技術者はバッテリーの拡大やシステムの信頼性の向上、設計コストの削減などが実現でき、Tom氏は、「EVの充電の高速化および走行距離の長距離化にもつながるものだ」と強調していた。
LMG3525R030-Q1の利点について(クリックで拡大)出典:日本テキサス・インスツルメンツ
また、同社は今回、産業用の600V耐圧GaN FET製品「LMG3425R030」も発表。こちらは、ハイパースケール(大規模)や企業向けコンピューティングプラットフォーム、5G(第5世代移動通信)向け電源をはじめとした、「低損失と基板実装面積の縮小が重視されるAC-DC電力供給アプリケーションにおいて高効率と高い電力密度を可能にする」としている。
LMG3425R030の利点について(クリックで拡大)出典:日本テキサス・インスツルメンツ
具体的には、例えば1Uサイズのラックサーバでは、Si MOSFETと比較し電力密度を倍増する点、上記のような電力供給アプリケーションでは99%の効率を提供する点、そして、電源ユニット(PSU)では高速保護機能やデジタル温度センシング機能によって能動的な電力管理や放熱監視を実現可能な点、をメリットとして挙げている。
車載用、産業用いずれについてもGaN FET2個で構成したハーフブリッジ回路と必要な全てのバイアス回路、ロジック、電源レベルシフト回路を搭載した評価モジュールを用意する。
それぞれの評価モジュール詳細(クリックで拡大)出典:日本テキサス・インスツルメンツ
産業用の製品については、量産前バージョンを12mm角のQFNパッケージで提供中で、1000個購入時の単価は8.34〜14.68米ドル。量産出荷は2021年第1四半期を予定している。評価モジュールの価格は199米ドルから。車載用の量産前バージョンと評価モジュールは、2021年第1四半期から提供予定だ。
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