Armは2020年10月19日(英国時間)、「microNPU(Neural Processing Unit)」の新たなバージョンを開発した。アプリケーションプロセッサにおいて、「Arm Cortex-A」ベースのシステムに適しているという。
Armは2020年10月19日(英国時間)、「microNPU(Neural Processing Unit)」の新たなバージョンを開発した。アプリケーションプロセッサにおいて、「Arm Cortex-A」ベースのシステムに適しているという。主要なライセンシーであるNXP Semiconductors(以下、NXP)は、映像での姿勢推定、複合的な顔認識、物体認識の他、基本的なキーワードスポッティングを超えた音声認識といったAI(人工知能)アプリケーションを扱えるアプリケーションプロセッサのシリーズを近々発表する予定だ。NXPはこのアプリケーションプロセッサにArmの新しいIP(Intellectual Property)を採用する計画だという。
Armが2020年2月に発表した既存のmicroNPU製品である「Ethos-U55」は、「Arm Cortex-M」コアベースのシステムをターゲットにしている。3〜256個の積和演算ユニット(MAC)を使って、最大0.5TOPSの処理性能を実現する(16nmや7nmプロセスで製造し、動作周波数が1GHzの場合)。ArmのmicroNPUポートフォリオには他にも「Ethos-N77」「Ethos-N57」「Ethos-N37」があり、それぞれ4TOPS、2TOPS、1TOPSを実現する。
Ethos-U65はEthos-U55の電力効率を維持しながら、内蔵するMACの数を倍増し、最大512個となっている。適応性はCortex-MからCortex-Aおよび「Arm Neoverse」ベースのシステムにも拡大。組み込みMLパフォーマンスは2倍に向上している。
主要な技術パートナーでありライセンシーでもあるNXPは、Ethos-U65 IPを次世代のアプリケーションプロセッサ「i.MX」に統合する計画だという。ArmとNXPはパートナーシップを拡大し、急成長する産業用IoT(モノのインターネット)市場向けに、最新のmicroNPUを搭載したソリューションを提供する予定だ。
NXPのAI/ML向けハードウェア部門でチーフエンジニアを務めるBen Eckermann氏は、同社が想定しているAIアプリケーションプロセッサのアーキテクチャについて、Ethos-U65をCortex-MコアとCortex-Aコアの横に設置すると説明した。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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