東陽テクニカは「TECHNO-FRONTIER 2021」(2021年6月23〜25日/東京ビッグサイト 青海展示棟)で、機械学習を用いたEMI対策ソフトウェア「EMINT(エミント)」のデモを展示した。2021年3月に発表した新製品で、測定したデータ(波形)を過去のデータと照らし合わせ、類似した特徴を持つノイズを推論によって提示する機能を搭載している。
東陽テクニカは「TECHNO-FRONTIER 2021」(2021年6月23〜25日/東京ビッグサイト 青海展示棟)で、機械学習を用いたEMI対策ソフトウェア「EMINT(エミント)」のデモを展示した。2021年3月に発表した新製品で、測定したデータ(波形)を過去のデータと照らし合わせ、類似した特徴を持つノイズを推論によって提示する機能を搭載している。
具体的には、EMIの測定データから、基準値を超えるノイズがリストアップされると、それらのノイズと似た特徴を持つ過去のノイズデータが表示される。そこに書き込まれているコメントを基にして対策事例を参照できる。次に、製品に組み込まれている部品の動作周波数を一覧にしたリストを参照し、その中からノイズの原因となっている部品を推定する。類似波形を推定する推論アルゴリズムには、特許を取得した東陽テクニカ独自の技術を採用しているという。
EMINTを開発した背景として、東陽テクニカは「知見の蓄積」を挙げる。他の業界や分野でもそうだが、EMI対策の分野でも「後継者が少ないというのが課題になっている」と同社説明員は語る。「ベテランエンジニアであれば、波形を見て“これがあやしい”というカンが働くが、その感覚を引き継ぐことは難しい。EMINTは、測定したデータが新たに保存されるとすぐに学習を行い、データベースを更新するので、より高い精度で過去の類似波形を推論できるようになる。コメントをつけられるので、ノウハウも共有できる」(東陽テクニカ)。EMI測定分野においてEMINTのようなソフトウェアはあまりなく、「ユーザーからの要求が強かった」と同社説明員は述べた。
EMINTは、クライアント型、サーバ型のいずれにも対応しているので、遠隔地からのデータ閲覧や操作が可能だ。なお、EMINTは現時点で、東陽テクニカのEMI測定評価ソフトウェア「EPX/RE」の測定データのみに対応している(EPX/REの測定データを学習できる)が、順次、対応可能なソフトウェアを増やしていく予定だ。
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