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» 2021年09月13日 11時30分 公開

次世代メモリ市場、2031年までに440億米ドル規模へNORやSRAMを置き換える存在に(1/2 ページ)

米国の半導体市場調査会社であるObjective AnalysisとCoughlin Associatesは、共同執筆した年次レポートの中で「次世代メモリが、さらなる急成長を遂げようとしている」という見解を示した。次世代メモリ市場は2031年までに、440億米ドル規模に達する見込みだという。

[Gary Hilson,EE Times]

 「次世代メモリが、さらなる急成長を遂げようとしている」――。米国の半導体市場調査会社であるObjective AnalysisとCoughlin Associatesは、共同執筆した年次レポートの中でこのような見解を示した。次世代メモリ市場は2031年までに、440億米ドル規模に達するとみられ、スタンドアロンメモリチップや組み込みメモリを、マイクロコントローラーやASIC、プロセッサに搭載する形で、NOR型フラッシュメモリやSRAM、DRAMなどの既存技術を置き換えていくと見込みだという。

 同レポートの著者たちによれば、次世代メモリは今後時間をかけて、独自の新しい市場を生み出していくとみられる。メモリメーカーやファウンドリーだけでなく、SoC(System on Chip)の設計者やユーザーなど、既にこのような新しい不揮発性メモリを設計に取り入れることで非常に競争力のある電力消費量やシステム応答性を実現している当事者たちは、こうした新市場に参入していく上で、競争上の優位性を確保することができるだろう。

MRAM(磁気抵抗メモリ)とReRAM(抵抗変化型メモリ)は、SoCに組み込まれたNORフラッシュやSRAMの大部分を置き換え、一部のアプリケーションではDRAMやNAND型フラッシュメモリをも置き換えると予測されている 出典:Objective Analysis(クリックで拡大)

 次世代メモリの売上高成長は、さまざまな材料やプロセスに対応するための新しい装置に対する需要によって部分的にけん引され、さらに設備投資市場の成長を後押ししていくとみられる。例えば、MRAM(磁気抵抗メモリ)製造装置の合計売上高は、2020年には1000万米ドルだったが、2031年にはその100倍となる11億米ドルにまで増加する見込みだ。また、スタンドアロンMRAMおよびSTT-RAM(スピン注入型磁気抵抗メモリ)の売上高は約17億米ドルに達するとみられ、これは2020年のスタンドアロンMRAMの売上高の42倍を上回る。そして組み込みMRAMは、組み込みReRAM(抵抗変化型メモリ)とともに、SoCの組み込みNOR/SRAMの大半を、競うようにして置き換えていくだろう。

 レポートによると、金額面のみで見た場合、IntelとMicron Technologyが共同開発した不揮発メモリ「3D XPoint」の売上高は2031年までに200億米ドルを上回る可能性があるという。これは、2020年版のレポートで、「3D XPointメモリがPCRAM(相変化メモリ)の市場シェア獲得をけん引するだろう」としていた見解の繰り返しとなる。ただし同時に、次世代メモリに関していくつか課題が生じ得ることについても説明している。

商用化されている「3D XPoint」は「Optane」のみ

 Objective Analysisで主席アナリストを務めるJim Handy氏は、「現在のところ、商用利用可能な3D XPointメモリは、Intelの『Optane』だけである。このOptaneを完全に使いこなすためには、新しいソフトウェアが必要だ。また、そのメリットを最大限に享受することが可能なターゲット層は、非常に保守的な傾向にある金融分野の顧客である。3D XPointはPCRAMベースの技術であるが、Optaneの運命は、Intelの『Xeon』プロセッサと非常に強く結び付いている」と述べる。

 Handy氏は、「Optane DIMMの魅力は、DRAMと比べて安価であるという点だ。Intelによれば、ギガバイト当たりの価格は約半分だという」と述べる。

 このためOptaneは、システムに搭載されたDRAMと同じ価格で、2倍の性能を達成することが可能だ。これは顧客にとっては良いことだが、現在もまだOptaneの収益性を何とか高めようとしているIntelにとっては、必ずしも良いとは限らない」と述べる。

2031年までのスタンドアロンメモリの年間出荷量予測(単位:ペタバイト) 出典:Objective Analysis/Coughlin Associates(クリックで拡大)
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