矢野経済研究所は、ワイヤレス給電の世界市場(事業者売上高ベース)を調査、2031年までの用途別市場規模を予測した。市場規模は2021年の4301億円に対し、2031年は1兆5496億円に拡大する見通しである。
矢野経済研究所は2021年9月、ワイヤレス給電の世界市場(事業者売上高ベース)を調査、2031年までの用途別市場規模を予測し発表した。市場規模は2021年の4301億円に対し、2031年は1兆5496億円に拡大する見通しである。
今回は、装置間の距離に関係なく接点を設けない形式の給電システムを対象とし、これに搭載する受電モジュール/機器と送電モジュール/機器の市場規模を調べた。調査期間は2021年4〜8月。
ワイヤレス給電システムは、スマートフォンを中心にスマートウォッチやワイヤレスイヤホンなど小型電子機器で搭載が進む。AGVなど産業機器でも採用が増えているという。この結果、2021年の市場は、2020年に比べ11.5%増の4301億円と予測した。数量ベースでも、15.1%増の6億8180万個の出荷が見込まれている。
用途別で、今後も2桁成長を見込むのが小型電子機器分野である。タブレットやスピーカーなどで採用が拡大し、新たな応用機器の登場も期待されている。この結果、2021年見込みの3565億円に対し、2031年1兆3730億円と予測した。
EV用途で本格的に市場規模が拡大するのは、2030年以降と予測する。当初は停車中の車両を対象にしたワイヤレス給電システムが普及。その後は、走行中の商用車に充電可能なシステムが登場するとみている。市場規模としては、2021年見込みの20億円に対し、2031年は217億円と予測した。
産業機器用途は、AGVや搬送システム機器などでワイヤレス給電システムの導入が進む。搬送効率の向上を目的に、こうした動きは強くなり市場規模も、2021年見込みの144億円に対し、2031年は268億円の見通しである。
その他の用途では、カートや電動アシスト自電車といったモビリティ機器、医療機器などがある。市場規模は2021年見込みの570億円に対し、2031年は1280億円と予測した。
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