分野別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの分野に分けて公表してきた。今期からは、分野の定義を改めた。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)、の3つである。顧客層の違いを意識した分野になった。
「クラウド」分野の売上高は前四半期比(前期比)12%増、前年同期比72%増の22億2500万米ドルである。全社売り上げの44%を占め、前期に続いて最大分野となった。「クライアント」分野の売上高は前四半期比(前期比)2%減、前年同期比6%増の18億5300万米ドルである。需要は強いものの、部品調達が厳しくなったことで出荷に影響が出た。「コンシューマー」分野の売上高は前四半期比(前期比)6%減、前年同期比10%増の9億7300万米ドルである。前の四半期に続いて部品調達に制約がかかっており、生産に影響が出ている。
次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品(NANDフラッシュメモリの応用製品)」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。
2022会計年度第1四半期(2021年7月〜9月期)における「フラッシュ応用品」の売上高は前四半期比(前期比)2.9%増、前年同期比19.8%増の24億9000万米ドルである。粗利益率は37.0%で、前四半期比(前期比)の35.5%からさらに上昇した。
フラッシュ応用品のビット換算の出荷容量は前の四半期と比べて8%増えた。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)で前四半期から3%低下し、同一製品(Like-for-like)では前四半期と同じだった。
2022会計年度第1四半期(2021年7月〜9月期)における「HDD製品」の売上高は前四半期比(前期比)2.4%増、前年同期比38.9%増の25億6100万米ドルである。粗利益率は30.9%で、前の四半期と比べて0.6ポイント上昇した。
HDD製品の販売台数はクラウド向けが1140万台、クライアント向けが780万台、コンシューマー向けが490万台である。前の四半期に比べるとクラウド向けが40万台増加し、クライアント向けが150万台減少し、コンシューマー向けが10万台減少した。HDD製品全体の販売台数は2410万台である。前の四半期に比べて130万台減少した。
HDD製品の平均販売価格(ASP)は102米ドルである。前の四半期から5米ドル増と上昇した。
(次回に続く)
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