TDK、MLCC製造用のPETフィルムをリサイクル化 : リサイクル品の使用比率を20%に
TDKは、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の製造工程で用いられるPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムを再利用するためのリサイクルシステムを構築した。今後、リサイクルPETフィルムの使用率を高め、廃棄物やCO2排出量のさらなる削減に取り組む。
TDKは2022年1月、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の製造工程で用いられるPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムを再利用するためのリサイクルシステムを構築したと発表した。今後、リサイクルPETフィルムの使用率を高め、廃棄物やCO2 排出量のさらなる削減に取り組む。
MLCCの製造工程では通常、表面に特殊処理を施したPETフィルムを用いて、誘電体ペーストを塗布する。使用済みのPETフィルムはこれまで、サーマルリサイクルをされるか焼却処分となっていた。
新たに開発し導入を決めたPETフィルムのリサイクルシステムは、これまで廃棄されていたPETフィルムの表面を洗浄し、PET樹脂(ペレット状)に戻した後、協業先である東レが製膜化を行う。再生したフィルムはTDKが調達し、特殊処理を行ってMLCCの製造工程で再利用する。
MLCCの製造プロセス。上図がシート形成工程、下図がプレス工程[クリックで拡大] 出所:TDK
PETフィルムのリサイクルシステムは、2022年1月から関連する工場に順次導入し、MLCC向けリサイクルPETフィルムの再利用を始める。リサイクルPETフィルムは、従来のPETフィルムに比べ、CO2 排出量を約10%削減することができるという。リサイクルPETフィルムはMLCC以外の製品にも活用していく予定で、その使用比率を20%まで引き上げていく。
PETフィルムのマテリアルフロー。左が変更前、右が変更後[クリックで拡大] 出所:TDK
TDKグループは、「TDK環境ビジョン2035」の中で「ライフサイクル的視点での環境負荷の削減をテーマに、2014年度を基準として2035年度までにCO2 排出量原単位を半減」するという目標を掲げている。今回の取り組みもその一環である。
大電流対応の車載PoC用インダクターを開発、TDK
TDKは2021年10月26日、「3225サイズで業界最高水準」(同社)とする大電流対応を実現した車載PoC(Power over Coax)用インダクター「ADL3225VMシリーズ」を開発し、量産を開始したと発表した。独自の構造設計によって、1M〜1000MHzの広帯域で高いインピーダンス特性も実現。「PoC用インダクターに求められる要素を高いレベルで満足した製品で、PoCの大電流化に貢献する」としている。
低抵抗の樹脂電極タイプMLCCを独自構造で実現、TDK
TDKは2021年9月14日、樹脂電極品ながら端子抵抗を通常電極品と同レベルに抑えた積層セラミックコンデンサー(MLCC)「CNシリーズ」の新製品を開発した、と発表した。新たにラインアップに加わったのは、3216サイズで静電容量値10μFと3225サイズで22μFの2製品で、同月から量産を開始した。
高感度磁気センサーで新たな画像診断技術を確立
横浜国立大学とTDKは2021年9月6日、高感度磁気センサーを活用した画像診断技術を開発したと発表した。腫瘍や組織をより高感度で検出できる可能性がある。
2012サイズで150℃保証の車載用インダクターを開発
TDKは2021年8月、従来品より実装面積を22%削減できる小型化を実現した車載電源回路用インダクター「TFM201210ALMAシリーズ」を開発したと発表した。同社は、「2012サイズで150℃に対応した金属パワーインダクターは『業界トップレベル』だ」としている。
ADAS向け大電流、低インダクタンスのフェライトコイル
TDKは2021年7月20日、独自開発したフェライト材料によって従来比1.5倍の大電流対応を実現した車載電源回路用フェライトコイル「HPL505032F1シリーズ」を開発したと発表した。独自の構造設計で低EMIを実現したうえ、「オープンショートのリスクゼロ」の高信頼性も備え、レベル4〜5のADAS向けを中心に展開していく。
TDK、ASIL-B対応の3D HAL角度センサーを発表
TDKは、車載電子システムの安全性要求レベル「ASIL-B」に対応したミクロナスブランドの3D HAL角度センサー「HAL 37xy」製品ファミリを発表した。
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