PEの性能には、電気的な性能と光学的な性能がある。電気的な性能は、EICとPICをつなぐ電気的なインタフェースの損失によって左右される。光学的な性能は、光ファイバとPICをつなぐ光結合の損失によって大きく変化する。
電気的な性能はPEの等価回路によってシミュレーションした。EICチップとPICチップを3次元積層してマイクロバンプ接続した構造を従来技術とし、「COUPE」と比較した。なおCOUPEの構造は詳細を明らかにしていない。
始めは、EICとPICのインタフェースによる寄生容量をシミュレーションした結果である。従来技術ではインタフェースの接続ピッチ(マイクロバンプのピッチ)が25μm〜50μm前後とかなり広い。COUPEではインタフェースの接続ピッチが10μm未満と狭く、寄生容量は従来技術の15%程度とわずかにとどまる。なお接続ピッチの数値から、COUPEではハイブリッド接合によってEICとPICを3次元積層している可能性が高いと筆者は推測する。
次は電源ネットワーク(PDN:Power Delivery Network)のインピーダンス(PDNインピーダンス)をシミュレーションした結果を示す。従来技術の電源ネットワークには2種類あり、1つはワイヤボンディング(ワイヤ長500μm)によってEICに電源を供給した構造、もう1つはシリコン貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)によってEICに電源を供給した構造である。TSVの長さは100μmとした。
PDNインピーダンスは最大値で比較した。 COUPEの最大インピーダンスはワイヤボンディングと比べて92%減少し、TSVと比べて51%減少した。COUPEはインピーダンスのピークが小さく、電源電圧を安定化できることが分かる。
最後は送信ビット当たりの消費エネルギーである。伝送速度との関係を従来技術と比較した。同じ伝送速度だと従来技術に比べて消費エネルギーは40%減少し、同じ消費エネルギーだと従来技術に比べて伝送速度が1.7倍に向上する。
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