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オハイオ州の新工場がIntelのIDM 2.0戦略を加速一部観測筋からは懸念も(1/2 ページ)

Intelは、200億米ドル以上を投じて米国オハイオ州に半導体製造工場を新たに2棟建設する計画だ。この計画は、同社が集積デバイス製造の幅を広げることや、欧米においてファウンドリー能力の主要な提供者となることを目指した戦略「IDM 2.0」を強調するものだ。

» 2022年02月01日 11時45分 公開
[Stefani MunozEE Times]

 Intelは、200億米ドル以上を投じて米国オハイオ州に半導体製造工場を新たに2棟建設する計画だ。この計画は、同社が集積デバイス製造の幅を広げることや、欧米においてファウンドリー能力の主要な提供者となることを目指した戦略「IDM 2.0」を強調するものだ。

 近年、オハイオ州では製造業が振るわない状況にある。そうした事情をよそに、Intelの重役らは、2022年1月21日(米国時間)、同州コロンバス近くの約4km2に及ぶ製造施設用地に対する大きな期待を明言した。Intelによると、同社はオハイオ州の用地を選ぶ前に、米国各地の30〜40箇所もの候補地を調査したという。IntelのCEO(最高経営責任者)であるPat Gelsinger氏は、用地決定にはエネルギーや水、得られる人材(近くにオハイオ州立大学があることなど)といった要素が大きく影響したと述べた。

2nm以下のプロセスノードがターゲット

 Intelは新たな2棟の製造工場がファウンドリー関連では約3000人、建設関連では約7000人の雇用をそれぞれ生み出すと見込んでいる。同社の製造、サプライチェーンおよびオペレーション担当ゼネラルマネジャーであるKeyvan Esfarjani氏によると、オハイオ州の製造工場は2nm以下のプロセスノードをターゲットにするようになるという。ファウンドリーの建設は2022年末に開始され、フル生産は2025年中に始まる予定だ。

Intelがオハイオ州に建設する製造工場のイメージ図 出所:Intel

 また、Intelは、教育機関とのパートナーシップを支援するため、次の10年間で1億米ドルを追加投資することも約束している。それにより、「人材パイプラインを円滑にし、オハイオ州での研究プログラムを強化すること」を目指すという。

 オハイオ州知事のMike DeWine氏は、「Intelの新たな製造工場はオハイオ州に変革をもたらすだろう。戦略的に不可欠な半導体がオハイオ州で製造されるようになり、数千もの高収入の雇用が生み出されるはずだ」と述べた。

 Intelは、米国の半導体製造エコシステムを構築する自社計画の一環として、製造工場に関する発表に、Air Products、Applied Material、Lam Research、Ultra Clean Technologyといった主要サプライヤーとのパートナーシップも含めた。

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