Qualcommは2022年3月21日(米国時間)、「Snapdragon Metaverse Fund」の設立を発表した。同ファンドは、エクステンデッドリアリティー(XR)体験の向上に向けて、XRエコシステムと拡張現実(AR)、AI(人工知能)技術を積極的に開発している開発者と企業の両方を支援するために総額1億米ドルを投資するという。
Qualcommは2022年3月21日(米国時間)、「Snapdragon Metaverse Fund」の設立を発表した。同ファンドは、エクステンデッドリアリティー(XR)体験の向上に向けて、XRエコシステムと拡張現実(AR)、AI(人工知能)技術を積極的に開発している開発者と企業の両方を支援するために総額1億米ドルを投資するという。
Qualcommの「Snapdragon」チップセットは、5G(第5世代移動通信)市場でますます成功を収めており、2022年度第1四半期(2021年10〜12月)には、Snapdragonラインの年間売上高成長は60%に達する勢いだった。なお、Qualcommの同四半期の全社売上高は前年比30%増となる107億米ドルだった。さらに、Meta(旧Facebook)やMicrosoftなどの企業によって過去1年間に仮想現実(VR)が急速に進歩したことを考えれば、Qualcommがメタバース市場の掌握に意欲的であることは不思議ではない。
Snapdragonのメタバースへの進出は、今回が初めてではない。Qualcommは「CES 2022」で、「Microsoftと協力して、消費者部門とエンタープライズ部門の両方でARの採用を加速させる」と表明している。Qualcommのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるCristiano Amon氏は、「当社はメタバース市場で、電力効率が高く軽量なARメガネのニューウエーブを起こし、豊かで没入感のある体験を提供するカスタムARチップを作製することを目指している」と述べている。同社はまた、「Snapdragon Spaces XR Developer Platform」を「Microsoft mesh」に統合することも計画しているという。
Qualcommの最新の戦略では、ベンチャー投資と助成金プログラムの両方で資本を投入し、XRの開発者とクリエイターを直接支援することを目指している。また、Snapdragon XR PlatformとSnapdragon Spaces XR Developer Platform、XR Labs EuropeなどのXRツールのポートフォリオに開発者がアクセスできるようにする計画だという。
Qualcommは、「5G市場における当社の大きな影響力によって、次世代XR技術におけるこれらの革新と進歩は、実現可能な状況にある」と主張している。
Qualcommは、「Qualcomm Technologies(同社子会社)は、5GやAI、XRなど、メタバースに極めて重要となるコアテクノロジーのリーダーであり、あらゆる主要コンピューティングの進化に大きく貢献してきた。空間コンピューティングの新時代を迎えるにあたり、Snapdragon Metaverse Fundは、コンテンツプロジェクトのためのベンチャー投資と開発者エコシステムへの助成金を通じて、エコシステム全体のイノベーションの実現と促進を支援する」と述べている。
Qualcommは、2022年6月にSnapdragon Metaverse Fundの申請の受付を開始するという。
Qualcommは、Snapdragon Metaverse Fundの設立の発表に続いて、日本のゲーム会社であるスクウェア・エニックスとの協業についても発表した。
Qualcommのプレスリリースによると、クアルコムはスクウェア・エニックスの先端技術部門と協力し、「XR体験を探求する」ためにSnapdragon Spaces XR Developer Platformの開発をさらに進めていくとしている。これには、ARヘッドセットや複合現実型ゲーム技術の開発が含まれる可能性がある。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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