RTOS+ROSで3D LiDARを動作、セキュリティも保証 : Green Hills Softwareがデモ展示
Green Hills Software(GHS)は「第25回 組込み/エッジ コンピューティング展【春】」(2022年4月6〜8日、東京ビッグサイト)で、同社の主力製品であるリアルタイムOS(RTOS)「INTEGRITY」や、マイコン用仮想化ソリューション「μ-visor」などのデモを展示した。
Green Hills Software(GHS)は「第25回 組込み/エッジ コンピューティング展【春】」(2022年4月6〜8日、東京ビッグサイト)で、同社の主力製品であるリアルタイムOS(RTOS)「INTEGRITY」や、マイコン用仮想化ソリューション「μ-visor」などのデモを展示した。
INTEGRITYのデモでは、3D(3次元) LiDARによる物体検知のソリューションを展示した。車載向けOSを手掛ける米Apex.AIのROS(Robot Operating System) 2互換の「Apex.OS」および、Apex.AIのLiDARのサンプルアプリを、INTEGRITY上で動作させるというもの。さらに、LiDARを使って検知している様子をディスプレイ上に示していた。
デモ環境の説明。Velodyne LidarのLiDARからのセンサーデータをルネサス エレクトロニクスのSoC(System on Chip)「R-Car H3」で処理している。「INTEGRITY」を使えば、3D LiDARの他、ADAS(先進運転支援システム)やOTA(Over the Air)のアプリケーションも同じハードウェアで実行できる[クリックで拡大]
LiDARで周囲を検知している様子を示している[クリックで拡大]
GHSは「ロボット関連のアプリケーションに移行しやすいという理由からROSの人気が高まっている」と述べる。「ロボットをはじめ産業機器の場合、Linuxだとどうしてもセキュリティ認証の面で障壁があるが、Apex.OSもINTEGRITYも、セキュリティ認証がしっかり行われている。さらにGHSの開発ツールも安全認証を取得しているので、開発から実装までセキュリティを確保できるのは大きなメリットだ」(GHS)
μ-visorのデモでは、ルネサス エレクトロニクスのマイコン「RH850/U2A」を実装した車載用開発ボードを使用し、車載のアプリケーションで活用する事例を紹介した。RH850/U2A上でμ-visorを動作させ、RH850/U2Aの仮想化機能を用いることで複数の仮想マシンを同時に稼働。個々の仮想マシンのステータスをモニターに映していた。
左=デモで用いた、「RH850/U2A」を実装した開発ボード。今回用いているのは車載用の開発ボードである/右=個々の仮想マシンのステータスがモニターに示されていた[クリックで拡大]
μ-visorは、サードパーティーからのAUTOSAR(AUTomotive Open System ARchitecture)環境の他、GHS独自のOS「μ-velOSity」、顧客が社内で使用しているOSなど各種OSをサポートしているので、複数のECU(電子制御ユニット)の統合を柔軟に行える。デモでは、「AUTOSAR Classic Platform」とμ-velOSityの2つの環境を動作させていた。「今回は車載向けを想定したデモを展示したが、もちろん車載以外の用途にも活用できる」(GHS)
GHS、RTOSと仮想化技術で安全性を格段に向上
グリーン・ヒルズ・ソフトウェア(GHS:Green Hills Software)は、「第22回 組込みシステム開発技術展 春」で、リアルタイムOSと仮想化技術をベースに、システムの安全性や信頼性を格段に向上させる、いくつかのソリューションを紹介した。
自動運転L2+/L3を普及車にも、ルネサスの「R-Car V4H」
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第4世代R-Car SoCも発表、ルネサスが語る車載戦略
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非接触でバイタルを検出できる60GHzレーダーモジュール
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ルネサス、仮想化を実現する車載制御マイコン
ルネサス エレクトロニクスは、仮想化支援機構をハードウェアで実装した車載制御用クロスドメインマイコン「RH850/U2A」を開発した。
手のひらサイズで計測距離300mの「LiDAR」を開発
東芝は、大きさが手のひらサイズで最長300mの距離計測を可能にする「LiDAR」を開発した。投光器を小型にできる「モジュール実装技術」および、全ての投光器を同じ向きにそろえる「モーター制御技術」を新たに開発することで実現した。
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