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“真の4Dセンサー”を実現するSiLCのFMCW LiDARロボットや自動運転車に向け(1/2 ページ)

SiLC Technologiesは、コヒーレントなビジョンとチップスケールの統合をより広範な市場に提供できるよう、「Eyeonic Vision Sensor(以下、Eyeonicセンサー)」を発表した。Eyeonicセンサーは、二重偏波の強度に関する情報を提供しながら、マルチユーザーによる干渉や環境からの干渉に対する耐性を実現することで、LiDARの性能を新たなレベルに引き上げるものである。

» 2022年04月19日 11時30分 公開

 実世界の数多くのアプリケーションにおいて、マシンビジョンは不可欠な特徴となっている。それにより、マシンは自らを取り巻く世界を検知、認識できるようになる。SiLC Technologies(以下、SiLC)は、コヒーレントなビジョンとチップスケールの統合をより広範な市場に提供できるよう、「Eyeonic Vision Sensor(以下、Eyeonicセンサー)」を発表した。Eyeonicセンサーは、二重偏波の強度に関する情報を提供しながら、マルチユーザーによる干渉や環境からの干渉に対する耐性を実現することで、LiDARの性能を新たなレベルに引き上げるものである。

 自動車メーカーは、レベル4の自動運転にいつか近づくことを目標に、最新世代の自動車にますます高度なADAS(先進運転支援システム)ソリューションを導入している。レベル4は、運転者の介入なく、全ての運転機能を果たすことができる自動車を指す。もう1つの困難なアプリケーションとして、自律型ロボットがある。例えば、マシンビジョンが倉庫の至るところにいるロボットを導くことで、ロジスティクスチェーンを改善したり、通路にある障害物を避けたりできるようにする。

 マシンビジョンのソリューションには、リアルタイムの振る舞いでデータを獲得し、ファームウェアやハードウェアのレベルでそれを処理した上で、(最終的にはAI[人工知能]ベースの)意思決定アルゴリズムに高レベルの情報を提供することのできる高度なセンサーが求められる。自動車やロボットのマシンビジョンアプリケーションに適したセンサー技術の例として、レーダーとLiDARがある。この記事では、米国カリフォルニア州に拠点を置く新興企業であるSiLCが開発した斬新なLiDAR技術について紹介する。この技術は、コヒーレントなセンサーを土台として、自動車、ロボット、産業用アプリケーション向けの4Dビジョンを実現するものである。

初のチップ統合型のFMCW LiDAR

 周波数変調連続波(FMCW)LiDARであるEyeonicセンサーは、2021年12月に発表され、2022年1月に開催されたCES 2022でデモが行われた。Eyeonicセンサーは、立体情報だけでなく、速度データや偏光強度データも提供する。

 SiLCで事業開発及びマーケティング担当バイスプレジデントを務めるRalf Muenster氏は、米国EE Timesとのインタビューの中で「最初のイノベーションは、コヒーレントなビジョンセンサーを実現する上で必要な全てのフォトニクス機能を単一チップ上に集積したことだ」と述べた。

 Eyeonicセンサー(図1)、はFMCWアプローチに基づいており、従来型のLiDARに比べ技術的にはより複雑であるが、システムをチップスケールに縮小するための追加機能や能力を実現している。チップ統合型のFMCW LiDARセンサーとして初めて商業化が可能な製品であり、最も厳しい低コストまたは低電力基準をも満たすほど設置面積が小さいことを特徴とする。

図1:Eyeonic Vision Sensorの内部が見える形になっている[クリックで拡大]出所:SiLC Technologies

 図1にはEyeonicセンサーの内部部品が示されている。シリコンフォトニクスチップ上に、線幅が極めて小さいレーザー、半導体光増幅器、ゲルマニウム製の検出器、光回路(導波管)と共に統合されている。

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