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ADI、長距離イーサネットソリューションを発表総合的なビル管理を可能に

アナログ・デバイセズ(ADI)は、ビルオートメーションネットワークに向けた10BASE-T1Lイーサネットソリューション「ADIN2111」を発表した。ビルなどに設置される小型のエッジデバイスにも、イーサネット接続機能を容易に追加することができ、総合的なビル管理が可能となる。

» 2022年05月11日 14時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

従来に比べ消費電力は最大で半分に、基板実装面積は最大75%も節減

 アナログ・デバイセズ(ADI)は2022年5月、ビルオートメーションネットワークに向けた10BASE-T1Lイーサネットソリューション「ADIN2111」を発表した。ビルなどに設置される小型のエッジデバイスにも、イーサネット接続機能を容易に追加することができ、総合的なビル管理が可能となる。

ADIN2111の外観 出所:ADI

 ADIN2111は、オートメーション機器などにおけるデイジーチェーン接続を容易にする2イーサネットポートスイッチIC。10BASE-T1L PHYコアとシリアルペリフェラルインタフェース(SPI)などを搭載し、IEEE 802.3cg規格に準拠する。

 ADIN2111は、ケーブル伝送距離が最大1.7kmで、リング冗長性と「Modbus/TCP」「BACnet/IP」「KNX」などのソフトリアルタイムプロトコルに対応する。消費電力は80mWと極めて小さい。2個のPHYコアは、送信レベルとして1.0Vp-pと2.4Vp-pの動作モードをサポートした。

 ADIN2111を用いることで、建屋に敷設済みのシングルツイストペアケーブルを有効に活用することができ、ネットワーク構築に向けた設備の更新費用などを削減できるという。診断機能も強化した。リンク品質と障害発生位置に関する情報を活用することで通信トラブルが生じても迅速に対応でき、システムのダウンタイムを軽減することが可能となる。

ADIN2111の回路ブロック図 出所:ADI

 パッケージは、外形寸法が7×7mmの48リードLFCSPで供給する。ディスクリート素子を用いる従来のソリューションに比べ、消費電力は最大で半分となり、実装基板の面積は最大で75%を節約できるという。製品は動作温度範囲が−40〜85℃の「ADIN2111BCPZ」と、−40〜105℃の「ADIN2111CCPZ」を用意している。価格(1000個以上購入時の単価)は、ADIN2111BCPZが6.50米ドル、ADIN2111CCPZが7.20米ドルである。

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