さらに、新製品は、同社が2022年4月に発表した「CoolSiC MOSFET 1200 V M1H」の技術に基づいており、M1H同様、幅広い周波数範囲でゲート-ソース間の最大電圧を−10Vまで下げられるようにしている。
今回発表した2kV SiC MOSFETは、M1H技術とともに導入した大容量の「Easy 3B」モジュールを2022年第3四半期、ハーフブリッジ構成の62mmモジュールを2022年第4四半期に提供予定。MOSFETおよびダイオードのディスクリート品ははんだ付け技術「.XT接合」を採用したTO247-PLUSパッケージで2022年末までに提供予定としている。また、同社は、今回の製品をサポートするため、最大2.3kVに対応するゲートドライバーICも提供していく。
同社のVice President Silicon CarbideであるPeter Friedrichs氏は、「同技術開発の最初の原動力は、太陽光発電の変換技術だった」と説明。「2kV技術の導入により、kW/kg(容量/太陽光発電システムのパワーコンディショナーの重量)の比率を大幅に向上させることが可能になる。これは特にストリングインバーターのソリューションにとって重要で、非常に大きな電力のシステムを数人で設置できるようになれば、これは重要な『ゲームチェンジャー』となる」と述べた。このほか、エネルギー貯蔵システムやEVチャージャー、ソリッドステートトランスフォーマーなどでの導入も見込んでいる。
なお今回の発表では、同社の第2世代SiC MOSFETについても言及。第2世代SiC MOSFETでは従来の25〜30%の性能向上を見込んでいて、「SiC MOSFETの市場規模を大幅に拡大するだろう」としている。
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