オンセミは、米ニューハンプシャー州ハドソンにある工場で拡張工事を進めてきたSiC(炭化ケイ素)の生産施設が完成したと発表した。2022年末までには、SiC単結晶の生産能力を前年に比べ5倍に拡大する。既に2棟目も増築中だという。
オンセミは2022年8月、米ニューハンプシャー州ハドソンにある工場で拡張工事を進めてきたSiC(炭化ケイ素)の生産施設が完成したと発表した。2022年末までには、SiC単結晶の生産能力を前年に比べ5倍に拡大する。既に2棟目も増築中だという。
オンセミは今回のSiC工場拡張に伴い、SiC粉末やグラファイト原料の調達から、パッケージされたSiCパワー半導体の納入に至るまで、SiC製造サプライチェーンを完全にコントロールすることが可能となった。これによって、顧客に対し長期的な供給責任を果たしていく考えである。なお、ハドソンに勤務する従業員も約4倍に増やす予定。
SiCは、高耐圧で高速スイッチングを可能にするパワー半導体材料。電気自動車(EV)やその充電装置などの用途で、SiCパワー半導体の需要が急速に拡大している。SiCの市場規模も2021年の20億米ドルに対し、2026年は65億米ドルへと大きく拡大することが予測されている。
オンセミは最近行った決算説明会で、「今後3年間で40億米ドルのSiC売り上げを約束する」と発表した。また、「2022年のSiC関連収益は2021年の3倍、2023年には収益が10億米ドルを超える見込み」であることを明らかにしている。
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