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3D DRAMからCXLメモリまで、Micronの見解を聞く1βでは広島が大きな役割を果たす(2/2 ページ)

» 2022年09月07日 16時00分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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CXLメモリの開発に舵を切ったMicron

――Micronは「3D Xpoint」の開発から撤退し、CXL(Compute Express Link)を用いる新しいメモリ製品の開発へ舵を切っています。CXLメモリ市場と、Micronの開発状況について教えてください。

Micron CXLの利点は、オープンな業界標準インターコネクト規格であるということ、そしてそれはゲームチェンジャーになり得るということだ。MicronはCXLコンソーシアムのメンバー(Board of Directors)として、顧客がデータセンターの可能性を最大限に引き出せるよう、標準化の推進に貢献している。

 CPUコア数とメモリ帯域幅のギャップは、ますます広がっていて、CXLはそうした状況に対応するために必要なインターコネクトだ。当社のCXL関連メモリの開発状況について詳細をお伝えすることはできないが、CXLにより、当社がこれまで実現できなかった革新的な技術を提供することも可能になると確信している。

新興の不揮発メモリ、Micronが開発する可能性は?

――Micronが、NANDフラッシュやDRAM以外の、新興不揮発メモリに取り組む可能性はありますか?

Micron 当社は主にDRAMとNANDフラッシュに多大な投資を行っているが、技術革新の新しいアプローチも継続的に評価している。メモリやストレージをより小型化、高速化し、さまざまなワークロードに最適化するためのアプローチを含む、複数の社内プロジェクトが常に存在している。

 Micronは新しいメモリ技術の探求も続けているが、当社の研究(下の表)では、低レイテンシの揮発性アプリケーションには、依然としてDRAMが最適であることが示されている。

DRAM STT-MRAM PCM/1T1R クロスポイント
RRAM
NANDフラッシュ
読み出し遅延 20ナノ秒 〜50ナノ秒 〜100-200ナノ秒 〜100-200ナノ秒 〜10マイクロ秒
書き込み遅延 20ナノ秒 〜50ナノ秒 〜1マイクロ秒 〜1マイクロ秒 〜10マイクロ秒
読み出し耐性 >1e15 >1011 >107 >107 >107
書き換え耐性 >1e15 >1011 >106 >106 2K-100K
ビット当たりの
書き換えエネルギー
<10pJ/bit 〜25pJ/bit 〜100-200pJ/bit 〜100-200pJ/bit >100pJ/bit
リテンション@RT 〜ミリ秒 数カ月 〜数年 〜数年 何年も持つものも
面密度 1x 〜30x

 STT-MRAM(スピン注入磁化反転MRAM)のようなMRAMは、ロジック半導体プロセスへの統合が容易であるという利点があるが、DRAMに比べてレイテンシとエネルギーがやや高く、耐久性に劣る。また、高い密度を実現するには設計上の課題も残る。それ故、ロジック+STT-MRAMの採用は、まだ先のことになるだろう。PRAM(相変化メモリ)は、より低遅延のブロックストレージ技術として興味深いが、面密度の経済性から、市場に広く展開されるかどうかを見極める必要があるだろう。

 多くの新しいメモリ技術の研究とイノベーションに取り組めるという観点では、エキサイティングな時期ではあるが、これら新しい技術がDRAMとNANDフラッシュを追い越すには、まだ時間がかかるとみている。Micronとしては、技術、市場、エコシステムの全ての準備が整ったときに、新たな技術を市場に投入したいと考えている。

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