今回は、フラッシュメモリカードの動きを追う。時期は2002年〜2004年である。新しい規格のカードが登場したほか、従来規格のカードがさらに小さくなった。
フラッシュメモリに関する世界最大のイベント「フラッシュメモリサミット(FMS:Flash Memory Summit)」の会場では最近、「Flash Memory Timeline」の名称でフラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表を壁にパネルとして掲げていた。FMSの公式サイトからはPDF形式の年表をダウンロードできる(ダウンロードサイト)。
この年表は1952年〜2022年までの、フラッシュメモリと不揮発性メモリに関する主な出来事を記述している。本シリーズではこの歴史年表を参考に、主な出来事の概略を説明してきた。原文の年表は全て英文なので、これを和文に翻訳するとともに、参考となりそうな情報を追加した。また年表の全ての出来事を網羅しているわけではないので、ご了承されたい。なお文中の人物名は敬称略、所属や役職、企業名などは当時のものである。
前々回と前回は、フラッシュメモリが製品に「多値記憶技術(1個のメモリセルに2ビット以上のデータ(論理値)を格納する技術)」を駆使し始めたことを前後編でご報告した。年表の時期は1997年〜2001年である。
今回は、フラッシュメモリカードの動きを追う。本シリーズでは第17回の続きにあたる。時期は2002年〜2004年である。新しい規格のカードが登場したほか、従来規格のカードがさらに小さくなった。
新しい規格のカードとしては、2002年7月にオリンパス光学工業と富士写真フイルムが共同で切手大の小型フラッシュメモリカード「xD-Picture」を開発し、製品化すると発表した。デジタルカメラの画像データ格納用を想定している。カードの大きさは縦20.0mm、横25.0mm、厚さ1.7mmとかなり小さい。販売は2002年9月に始まった。
「xD-Picture」はコントローラーを搭載していない。このため、同様にコントローラーを持たないフラッシュメモリカード「スマートメディア」(1996年に規格策定団体が設立された[参考)を小型化したカードだと見なされた。なお、「xD」は「eXtreme Digital」の略称であり、「x」は「eXcellecnt」の意味も兼ねる。
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