「SDメモリーカード(SDカード)」では、急速に小型化が進んだ。2000年に発売されてから、3年後の2003年にはサンディスクが小型版である「ミニSDカード(miniSDカード)」を発表する。miniSDカードの外形寸法は横20mm、縦21.5mm、厚さ1.4mmである。SDカードの外形寸法である横24mm、縦32mm、厚さ2.1mmと比べて占有面積が56%と半分近くに縮まった。
SDカードの小型化は当初、規格策定団体である「SDカードアソシエーション(SDA)」の開発戦略では想定していなかった。ところが携帯電話端末メーカーがSDカードの小型化を非常に強く要求したことから、SDAはSDカードを小型したカードの規格を開発したという(参考資料:阪本、「SDカード標準化の歩み」、『映像情報メディア学会誌』、2011年65巻第2号、p.159)。
携帯電話端末メーカーの小型化に対する強い要求はミニSDカードでも収まらなかった。外形寸法をさらに縮めた「マイクロSD(microSD)カード」を続けて開発することになる。ミニSDカードの開発からわずか2年後のことだ。2004年2月にサンディスクとモトローラが、携帯電話端末向けの超小型フラッシュメモリカード「トランスフラッシュ(TF:TransFlash)」を共同開発したと発表した。このTFカードがそのまま、名称を変更して2005年には「マイクロSD(microSD)」カードとなる。
「マイクロSD(microSD)」カードの外形寸法は横11mm、縦15mm、厚さ1.0mmである。占有面積は「ミニSD」カードの38%と大幅に小さくなった。「SD」カードとの比較ではわずか21%、およそ5分の1しかない。もはや「切手サイズ」ではなく、「指の爪サイズ」とでも呼ぶべきだろう。風によって飛ばされたり、誤って床に落としたりすると、紛失しかねないサイズだ。取り扱うときは細心の注意を払いたい。
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