三菱電機は2022年10月18日〜21日に開催した展示会「CEATEC 2022」(幕張メッセ)で、中低圧直流配電ネットワークシステム「D-SMiree(ディースマイリー)」をはじめとしたZEB(net Zero Energy Building)関連ソリューションを展示した。同社はZEBプランナーとして、省エネ設備の提供だけでなく周辺設備・関連施設との連携などワンストップで実現することを目指している。
三菱電機は2022年10月18日〜21日に開催した展示会「CEATEC 2022」(幕張メッセ)で、中低圧直流配電ネットワークシステム「D-SMiree(ディースマイリー)」をはじめとしたZEB(net Zero Energy Building)関連ソリューションを展示した。同社はZEBプランナーとして、省エネ設備の提供だけでなく周辺設備・関連施設との連携などワンストップで実現することを目指している。
ビルや工場で使われる機器の多くは直流電力で動作している。一方、配電システムが交流のため、発電システムから機器に至るまでには、直流/交流の変換が繰り返され、その都度、電力損失が発生している。D-SMireeは、再生可能エネルギーなどで発電した電力を直流のまま配電することで、直流・交流の変換回数を減らし、電力損失を抑えることが可能になる。今後は、IEC規格等の調整や対応可能な電子機器の開発などを進め、2025年ごろの本格展開を目指している。
スマートシティーやビルIoT(モノのインターネット)向けのプラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」も紹介した。ビルの完成後も継続的に省エネを実現するためには、電力の使用状況や設備の稼働状況の定期的な確認と見直しが欠かせない。同プラットフォームでは、ビル内のあらゆる設備がインタフェースを介してVille-feuilleと連携。各設備から収集したデータをVille-feuilleに蓄積して一元管理する。三菱電機はVille-feuilleをベースに、さまざまなサービスを提供している。例えば、ビル内で人とサービスロボットが“協働”できる「ロボット移動支援サービス」の他、空調や照明のオン/オフなどの遠隔制御や、発電予測機能による蓄電池充放電制御を行える「エネルギーマネジメントサービス」などがある。
白鷺電気工業は2016年の熊本地震をきっかけに、2018年から三菱電機のZEB関連ソリューションを導入し、基準一次エネルギー消費量比75%低減のNearly ZEBを達成した。三菱電機は自社の実証棟2カ所でも活用を進めており、ZEB関連技術の実証棟「SUSTIE(サスティエ)」(神奈川県鎌倉市)では、高効率機器の導入や直流配電システムの活用により、基準一次エネルギー消費量比106%達成した。
三菱電機は、「これからは電力を地産地消し、より効率的に活用することで脱炭素とZEBを実現することが必要だ」と強調した。
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