英国のKing's College(キングスカレッジ)とUniversity of Bristol(ブリストル大学)、University of Strathclyde(ストラスクライド大学)が1年以上前に設立した研究/教育/イノベーションセンターである6G Futuresは、英国のデジタルメディア文化省と英国研究評議会からの資金提供を正式に求めている。
英国のKing's College(キングスカレッジ)とUniversity of Bristol(ブリストル大学)、University of Strathclyde(ストラスクライド大学)が1年以上前に設立した研究/教育/イノベーションセンターである6G Futuresは、英国のデジタルメディア文化省と英国研究評議会からの資金提供を正式に求めている。キングスカレッジの通信工学の教授で、工学部電気通信研究センターのディレクターを務めるToktam Mahmoodi氏は米国EE Timesに対して、このように語った。
同氏は、「欧州の数カ国では既に、6G(第6世代移動通信)研究に関する卓越した研究拠点を形成しているが、英国にはそうした拠点がなかった。だが今、英国では(6G研究に対する)機運が高まっている」と述べる。
同氏は、「3つの大学は、ドイツの6Gハブを含む、欧州の他の6Gイニシアチブともつながっている」と付け加えた。キングスカレッジはクロスキャンパス活動を促進しており、既に同イニシアチブのメンバーである Technical University of Dresden(TUD:ドレスデン工科大学)とクロスキャンパスを実施している。
3つのパートナー大学は、次世代モバイルネットワークの研究とイノベーションの最前線における英国の地位を確実なものにするための取り組みを行う。Mahmoodi氏は、「ブリストル大学とストラスクライド大学と協力して開始したこの取り組みを強化するために、現在、国内外の他のパートナーを募っている」と述べている。
同氏によると、3大学は、英国のデジタルメディア文化省に約600万米ドル、英国研究評議会に約200万米ドルの資金提供を求めているという。これらの資金は、コミュニティーをまとめ、6G研究の強力なスタートを切るのに役立つが、優れた研究成果を上げるにはより大規模な研究資金が必要になる。キングスカレッジでは、モバイルおよびワイヤレス通信の幅広い研究を行う。特に、ネットワークインテリジェンスと、通信ネットワークにおけるAI(人工知能)/ML(機械学習)の使用、ソフトウェアからネットワークプロトコル、ハードウェアまでの通信とコンピューティングの統合に重点を置くという。
同氏は、「通信システムはますます分散化し、通信プロトコルの実行中に多くの分散コンピューティングを動作せざるを得ない状況にある。そのため、われわれの研究では特に、通信プラットフォームとコンピューティングプラットフォームの相互連動機能に焦点を当てている」と説明している。
この研究は5年から10年を見据えている。短期的な研究では、アプリケーションに焦点を合わせ、業界と連携してインパクトのあるものにする。長期的なプロジェクトではもちろん、基本的な研究にも取り組む計画だ。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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