3次キャッシュ(L3キャッシュ)あるいはラストレベルキャッシュ(LLC)は、CCDの各CPUコアが共有するシェアードキャッシュである。CPUコア当たりの記憶容量は4Mバイトで、Zen3と変わらない。CCDはZen3とZen4ともに8個のCPUコアを搭載する。このため、CCDが内蔵する3次キャッシュの記憶容量は32Mバイトのままである。
Zen4プロセッサの3次キャッシュ(ラストレベルキャッシュ)は各CPUコアが共有する。記憶容量はCPUコア当たりで4Mバイトであり、全体では32Mバイトとなる。なお「CCX(Core Complex)」はCPUコアと2次キャッシュ、3次キャッシュをまとめたマクロ(IP)を意味する。外部とやりとりする入出力回路をCCXに加えたシリコンダイ(ミニダイあるいはチップレット)が「CCD(Core Complex Die)」である[クリックで拡大] 出所:AMDただし第4世代EPYCは1個のプロセッサが最大で12枚のCCDを搭載する。第3世代EPYCが最大で8枚であったから、プロセッサが搭載可能な3次キャッシュの記憶容量は第3世代EPYCの256Mバイトから、第4世代EPYCでは384Mバイトと1.5倍に拡大した。
なお前世代(第3世代)のEPYCプロセッサは、CCD当たりの3次キャッシュをシリコンダイ積層技術によって96Mバイトに拡大できた。CCDと、64Mバイトの3次キャッシュダイをハイブリッド接合技術によって積層する。AMDはこの技術を「3D V-Cache」と呼んでいる。この技術を採用した第3世代EPYCプロセッサは最大で768Mバイトと巨大な3次キャッシュを備える。
64Mバイトの3次キャッシュダイをハイブリッド接合技術によってCCDと積層する「3D V-Cache」の構造図[クリックで拡大] 出所:AMDが2021年8月22日に国際学会「Hot Chips 33」のチュートリアルセッションで発表したスライド⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
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