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半導体業界の「攻めの国内投資拡大を支援」、岸田首相SEMICON Japan 2022が開幕(2/2 ページ)

» 2022年12月14日 20時45分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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競争のラインが引き直される今がチャンス

 「なぜ日本に最先端のロジック半導体が必要なのか」「なぜ今、先端半導体に取り組むのか」というテーマでは、半導体戦略推進議員連盟 会長でもある甘利氏が「あってはならないことだが、台湾有事が起こり台湾海峡が封鎖されたら、先端ロジック半導体の供給は7〜8割止まる。そうなれば、どうやって(先端ロジック半導体を)供給するのか」と強い危機感を示した。

 さらに、半導体ICではチップレットや3次元実装に競争のフェーズが移行していることに触れ、「つまり、競争のスタートラインが引き直されるということだ。このタイミングを絶対に逃してはならない」と強調した。「自動運転や量子コンピューティングなどの社会実装が2030年前後に始まっていく。その時に、それらの社会実装を支える先端半導体を日本で製造できるかが重要になる。だから、“今”なのだ」(甘利氏)

 東氏は、「未来社会の産業についてビジョンを持ち、その実現のために、米国や台湾、韓国が『beyond 2nm』の技術開発にしのぎを削っている。『2nmプロセスノードのチップを使う場がないのではないか』との声も日本にはあるが、そうではない。未来の産業を形成していくには長い時間がかかる。産業と技術の関わり合い方を変えていきながら、進めていく必要がある」と述べた。

グローバルでの連携が不可欠

 今回のキーノートパネルでは、半導体産業における国際連携もテーマに上がった。甘利氏は「日本のみで行おうとしていた過去の失敗に学ぶ必要がある。これからは、互いの強みを出し合い、連携していくことが重要だ」と述べた上で、「ただし、価値観を共有できる日米欧で連携することが必要になる。中国とは連携できない」と言い切った。

 IBMのGil氏は「社会課題の解決のためにはテクノロジーが必要であり、そのテクノロジーの限界を突破するためには協業が必要になる」と述べた。

 小池氏は「“日の丸半導体の復活”といわれるが、何でも自前で行える時代は終わった」と強調する。実際、Rapidusは2022年12月に入り、imecやIBMとの協業を次々と発表している。Gil氏は「日本には半導体装置や材料などの強みがある。連携においてもこうした“資産”を十分に活用すべきだ」と指摘した。

 五神氏は、2019年における東京大学とTSMCのアライアンス締結や、それに伴う「d.lab(ディーラボ/東京大学大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター)」の設立が速やかに進んだことを取り上げ、「日本の技術者や研究者たちが、世界の半導体業界関係者と築いてきた信頼関係があったからこそ、成しえたことだった」と語った。さらに、日米欧でも長年にわたり強固な連携を行ってきたと述べ、そこで築いた相互の信頼関係を活用できるのではないかと述べた。

 さらに甘利氏は、「これまでは技術からビジネスへのシームレスな連携ができていなかった」ことを課題として挙げた。「従来、国からは研究に対して補助金を出していた。だがTSMCへの資金援助は製造工場が対象であり、これは今までになかったことだ。今後は、大学で生まれたシーズを拾い上げ、スタートアップにつなげていくような工程をシームレスに行う方向に転換していく。技術で勝って、ビジネスでも勝つ。このような流れにしていく」(甘利氏)


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