VMwareのサービスプロバイダー・エッジビジネス部門(SEBU)担当上級副社長兼ゼネラルマネジャーであるSanjay Uppal氏は、「欧州では現在、セルラーデータの急増に伴い、エネルギー費が上昇して電力が制限されつつあることから、今冬には一部のセルラーネットワークがダウンする恐れがある」と警告する。
VMwareのサービスプロバイダー・エッジビジネス部門(SEBU)担当上級副社長兼ゼネラルマネジャーであるSanjay Uppal氏は、「欧州では現在、セルラーデータの急増に伴い、エネルギー費が上昇して電力が制限されつつあることから、今冬には一部のセルラーネットワークがダウンする恐れがある」と警告する。
同氏は、2022年11月に開催したカンファレンス「VMware Explore 2022」において、米国EE Timesのインタビューに応じ、「現在発生しているエネルギー不足は、今のところ欧州だけの問題かもしれないが、今後確実な取り組みが必要とされる世界的な問題になるだろう」と述べている。
VMwareは、セルラーサービスプロバイダー(CSP)や電気通信事業社との協業により、データセンターやセルラーネットワークのサービス最適化および電力消費量の削減に取り組んでいるという。Uppal氏は、「こうした取り組みによって、確実に事態を改善することが可能だ。ただしこれは、明日にでも実現できるようなその場しのぎの解決法ではない」と述べる。
5G(第5世代移動通信)セルラーネットワークが継続的に導入されることにより、ある程度の省電力化が可能になるが、それはあらゆる場所でスタンドアロン5G(3GPP Release 16)が展開されるようになってからの話だ。さらに、Ericssonが発行する世界の移動通信市場のトレンドに関する最新調査報告書「エリクソンモビリティレポート」によると、現在データトラフィックが指数関数的に増加していて、既に1カ月当たりで110エクサバイトに達しているという。このようなデータトラフィックの増加により、ネットワークやコネクテッドデバイスの電力消費量もさらに増加することになる。
Uppal氏は、「新技術への投資の正当化は、“純粋な生産性の向上”から、“業務の効率化とコスト削減”へと移行している。VMwareサービスを利用している一部の電気通信事業社は、顧客のルーターが使われていない時に電源を落とすことで、自社のネットワーク電力を需要に対応させようとしている」と述べる。
「VMwareのサーバ仮想化ソフトウェア『vSphere 8』は、ワークロードの統合をサポートすることにより、電力消費量に重大な影響を及ぼすだろう。このような最適化技術により、場合によっては最大50%の省エネ化を実現することもできる」(Uppal氏)
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