5G通信ネットワークと手術支援ロボットが遠隔手術を実現へ:福田昭のデバイス通信(384) 2022年度版実装技術ロードマップ(8)(2/2 ページ)
特に、手術支援ロボットシステムと5G通信ネットワークを組み合わせることで、遠隔地におけるロボット手術の支援や指導などが、実際に試みられつつある。例えば神戸大学とNTTドコモ、メディカロイド、神戸市は共同で、遠隔ロボット手術の実証実験施設「プレシジョン・サージェリーリサーチセンター」を2021年2月に立ち上げた。そして同年4月には、メディカロイドの手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム」の操作卓(コックピット)を外科医が操作し、遠隔地に設置してあるロボット本体(オペレーションユニット)とコックピットを5Gクラウドサービスで接続することで模擬的な遠隔手術の実証実験を実施した。
模擬的な遠隔手術の実証実験を手術支援ロボット「hinotori」とNTTドコモの5Gクラウドサービスによって実施。左は神戸大学医学部附属病院 国際がん医療・研究センター(ICCRC)に配置した操作卓(コックピット)を外科医が操作している様子。モニターに表示されているのは手術野の3次元画像。右は公益財団法人神戸国際医療交流財団が運営する統合型医療機器研究開発・創出拠点(MeDIP)に配置されたロボット本体が、模擬手術を実施している様子[クリックで拡大] 出所:神戸大学とNTTドコモ、メディカロイド、神戸市が共同で2021年4月16日に配信したニュースリリース「世界初、商用5Gを介した国産手術支援ロボットの遠隔操作実証実験を開始〜次世代通信ネットワークを用いた遠隔ロボット手術の実現に向け産官学が連携して実証実験施設を立ち上げ〜」
手術支援ロボットと5Gクラウドサービスを活用した遠隔手術支援システムの概念図[クリックで拡大] 出所:神戸大学とNTTドコモ、メディカロイド、神戸市が共同で2021年4月16日に配信したニュースリリース「世界初、商用5Gを介した国産手術支援ロボットの遠隔操作実証実験を開始〜次世代通信ネットワークを用いた遠隔ロボット手術の実現に向け産官学が連携して実証実験施設を立ち上げ〜」
ロードマップ本体には、国内外における5Gを活用した遠隔手術技術の実証実験例を掲載した。国内では東京女子医科大学、NHKエンジニアリング、国立がん研究センターなどの実験例がある。海外では米国と中国の事例を載せている。詳しくはロードマップ本体を参照されたい。
⇒(次回に続く)
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