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ソシオネクストは増収増益、大型商談の量産が本格化通期見通しも上方修正(2/3 ページ)

» 2023年01月31日 11時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

7nm以細のカスタムSoC、大型商談の量産が本格化

 前述した通り、同社の2022年度第3四半期の売上高は、前年同期比88.1%増の561億円、営業利益は同165.0%増の63億円で増収増益となった。2019年以降、注力分野において7nm以細のプロセスノードのカスタムSoCの大型商談を獲得していたが、この量産が本格化した他、売り上げ増の制約要因になっていた製造委託先の生産枠確保も想定より進んだことから、特に先端テクノロジーでの製品売り上げが従来想定より改善。ここに円安の好影響も加わった。なお、2022年度第3四半期累計期間(2022年4〜12月)の売上高は前年同期比62.8%増の1388億円、営業利益は同193.0%増の167億円となった。

左=注力分野における商談獲得金額の推移/中央=2022年度第3四半期決算概要/右=2022年度第3四半期累計期間(2022年4〜12月)の決算概要[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト 左=注力分野における商談獲得金額の推移/中央=2022年第3四半期決算概要/右=2022年度第3四半期累計期間(2022年4〜12月)の決算概要[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 売り上げおよび営業利益の成長について肥塚氏は、「2019年度以降獲得した大型商談の量産が進み、2021年度第4四半期から本格化し、製品売上高が着実に増加している。NRE売り上げは開発物の成果であり、ばらつきはあるが、基本的には増加基調だ」と説明している。

 売り上げの増加は、データセンター/ネットワークなどの製品売上高およびNRE売上高増のほか、円安によるプラスの影響が87億円あった。

左=四半期別の売上高および営業利益の推移/右=2022年度第3四半期の決算内容詳細[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト 左=四半期別の売上高および営業利益の推移/右=2022年度第3四半期の決算内容詳細[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

「7nm品の需要が旺盛」売り上げ、利益いずれも上方修正

 同社はこの日、2022年度通期売上高を前回予想(同年9月)から200億円増の1900億円、営業利益を同25億円増の195億円、純利益を同32億円増の162億円とそれぞれ上方修正すると発表した。生産ラインの逼迫/供給制約が緩和されたことから、製品売上高が予想比で87億円増となることを見込むという。肥塚氏は、「7nm品の大型プロジェクトの需要などが旺盛で、特に一部商品は、通常のボリューム品と比べて30億円ほどの特需を見込んでいる。具体的な顧客名は言えないが、この特需は2023年上期も続く見込みだ」と述べていた。またNRE売り上げなどで同23億円増となるほか、円安影響も同90億円増のプラス要因となることを見込んでいる。

左=2022年度通期予想/右=2022年度通期予想詳細[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト 左=2022年度通期予想/右=2022年度通期予想詳細[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 2022年度第4四半期の為替前提は1米ドル=120円としている。為替感応度はドルに対して1円の変動で年間、売上高が約10億円、営業利益が約3.5億円となっている。

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