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車載電装システム、2035年に82兆3921億円規模へ富士キメラ総研が世界市場を調査

車載電装システム市場は、2022年見込みの38兆4842億円に対し、2035年は82兆3921億円規模に達する。また、関連のデバイス&コンポーネンツ市場は2022年見込みの22兆866億円に対し、2035年は59兆976億円となる見通し。富士キメラ総研が予測した。

» 2023年02月13日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

関連デバイス&コンポーネンツ市場、2035年は約59兆円規模へ

 富士キメラ総研は2023年2月、車載電装システムの世界市場を調査し、その結果を発表した。車載電装システム市場は、2022年見込みの38兆4842億円に対し、2035年は82兆3921億円規模に達すると予測した。また、関連のデバイス&コンポーネンツ市場は2022年見込みの22兆866億円に対し、2035年は59兆976億円となる見通し。

 今回の調査は、エンジンマネジメントシステムや変速制御システムなどの「パワートレイン系」、HV/PHVシステムやEV/FCVシステムなどの「xEV系」、ブレーキシステム(ABS/ESC)やADAS/自動運転システム、パワーステアリング制御システム(EHPS/EPS)などの「走行安全系」、ボディー統合制御システムなどの「ボディー系」および、乗員モニタリングシステムやドライブレコーダーといった「情報系」を対象に行った。同時に、車載電装システムに搭載されるデバイス市場についても調べた。調査期間は2022年10月〜2023年1月。

 長期化する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響などもあり、2022年は自動車の生産調整を行う企業もあった。こうした中で車載電装システム市場は、欧州や中国で電動車の生産が増加したこともあり、2022年の市場は2021年に比べ40.4%の増加となった。今後もxEV化は進む見通しから、走行安全系や情報系、ボディー系などの需要は大幅に拡大すると予測した。

車載電装システムの世界市場予測 車載電装システムの世界市場予測 出所:富士キメラ総研

 同社は、今後の注目市場として「ドライブレコーダー」や「乗員モニタリングシステム」「ADAS/自動運転システム」の3つを挙げた。ドライブレコーダー市場は、2022年見込みの8331億円に対し、2035年には1兆3080億円と予測した。現状はアフター品市場が主体である。今後は、電子ミラーのディスプレイ部分と一体化した製品なども登場し、搭載率はさらに高まる見通し。

 乗員モニタリングシステム市場は、2022年見込みの823億円に対し、2035年は1兆2566億円と予測した。運転中のドライバーや、助手席あるいは後席乗員の状態を監視/検知するシステムである。安全性向上に向けて搭載率の上昇が見込まれている。

 ADAS/自動運転システムは、2022年見込みの1兆6137億円に対し、2035年は6兆1782億円と予測した。ADASはAEB(衝突被害軽減ブレーキ)の搭載を義務化する地域が増加し、需要が拡大する。自動運転システムは、日系メーカーに続き、中国メーカーなども搭載しており、市場は徐々に拡大している。システム価格の下落も期待されるという。

 関連するデバイス&コンポーネンツ市場は、搭載するセンサーや部品の点数が増加することで、車載電装システム市場の伸び率を上回ると予想する。同時に、ユニット/モジュール化による省スペース化も進む。自動運転化が進む2030年以降は、LiDARの採用が本格化し、市場の拡大が期待できるという。

デバイス&コンポーネンツの世界市場予測 デバイス&コンポーネンツの世界市場予測 出所:富士キメラ総研

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