さらに最近、ファウンドリーが取り組みに参加するようになったことで、貴重な洞察が提供されるのではないかと期待が高まっている。
「ファウンドリーに対しては、現時点のわれわれの成果を測定してベンチマークを実行するためのサポートを期待している。われわれは、異なるソースから収集したデータに基づき、ボトムアップでモデルを構築しているが、何かをボトムアップで構築する場合、必ず見落としてしまうものがある。一方、ファウンドリーは、トップダウンの視点を持っている。彼らは基本的に自社工場の年間生産量を検討していて、また、電気や水などのさまざまなリソースの消費量について調達面から検討することが可能だ。このため、リソースの観点から、ウエハーを製造するために何が必要なのかを明確に把握できる」(Rolin氏)
Rolin氏によると、imecのボトムアップ手法は、ファウンドリーの洞察を補完するものだという。
「ファウンドリーが見落とすのは、工場の在庫をベースとしたトップダウンの分析を実行する場合、既存工場で実行する必要があるため、未来を予測することができないという点だ。また、自社工場プロセスの実際の影響について、詳しく掘り下げることができない。ここに、ボトムアップ手法の強みがある。これら2つは、非常に補完性が高い。ボトムアップ手法を適用する場合、精度の高い結果を得られ、深く掘り下げ、大きな影響を特定して将来を予測できる。また、トップダウン手法は、現状に即したベンチマーキングが可能だ。ファウンドリーパートナー各社の参加を受け、共同で取り組む最初の課題として、研究成果のベンチマークを実行していきたいと考えている」(Rolin氏)
同氏は、「imecは近い将来、『評価』の柱となるポートフォリオを拡充し、RFや最先端パッケージング、3D技術、フォトニクスなどを追加していく予定だ。幅広く焦点を当てていくことで、より多くの半導体メーカーやさまざまな種類のファウンドリーの関心を高め、参加してもらいたい」とも述べた。
またimecは、「改善」の柱として、工場の中で複数の小規模プロジェクトを実行している。このようなプロジェクトのパイプラインを維持すべく、5年間の目標として、地球温暖化の可能性が低いガスに関して積極的な取り組みを進めていくという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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