TSMC熊本工場向けに、半導体材料拠点を新設へ:エア・ウォーターが発表
エア・ウォーターは2023年2月28日、熊本県菊池郡大津町にエレクトロニクス関連事業のグループ複合拠点を新設すると発表した。TSMCの熊本工場建設に伴い伸長する半導体材料需要を獲得する狙いだ。
エア・ウォーターは2023年2月28日、熊本県菊池郡大津町にエレクトロニクス関連事業のグループ複合拠点を新設すると発表した。建設開始は2023年6月で、敷地面積は約2万1000m2。完成は2024年夏ごろを予定している。
新拠点のイメージ[クリックで拡大] 出所:エア・ウォーター
同拠点の建設は、TSMCの熊本工場(運営会社/JASM:Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)建設に伴い伸長する半導体材料需要を獲得する狙いで、将来的には産業ガス製造プラントを建設し、近隣の半導体製造工場等に供給することも検討している。
新拠点では、主にJASM向けに、半導体製造に欠かせない特殊ガス、特殊ケミカルや基礎化学品などを保管する倉庫を設け、サプライチェーンに不足が生じないための供給体制を構築する。
営業やメンテナンス面においても、ガス精製装置や半導体材料、各種部品などの製造/販売を行うグループ会社が一体となり、同地域の半導体関連企業に顧客密着型のサービスを展開することで、事業拡大を目指すとする。
- TSMCが日本に新工場を建設! 最大の問題は技術者の確保と育成
TSMCが日本に工場を建設することを公表した。「なぜ」という疑問は残るが、それを考えていても仕方がないので、本稿ではTSMCが日本の熊本に新工場を建設し、継続して工場を稼働させるときの問題点を指摘したい。
- TSMCの日本工場設立、利益を危険にさらす可能性も
TSMCは2021年10月、日本に初の半導体工場を建設する予定であると発表した。これは、世界最大規模の半導体ファウンドリーである同社が、台湾以外で生産能力を拡大していく上で、コスト増大の問題に直面するであろうことを示す兆候の1つだといえる。
- ソニー、TSMC、東エレクが語る半導体サプライチェーン/人材戦略
「SEMICON Japan 2022」の最終日である2022年12月16日、ソニーやTSMCジャパン、東京エレクトロンの幹部らがパネルディスカッションに登壇し、半導体産業のサプライチェーンおよび人材戦略について議論した。
- デンソーがTSMC熊本工場に400億円出資
TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソーは2022年2月15日、TSMCの半導体受託製造子会社Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(以下、JASM)に対して、デンソーが約3.5億米ドル(約400億円)の少数持分出資を行うと発表した。この出資により、デンソーはJASMの10%超の株式を取得することになる。
- 富士フイルム、熊本に半導体製造向け研磨剤生産設備を新設
富士フイルムは2022年9月8日、半導体製造プロセスの基幹材料である研磨剤「CMPスラリー」を生産する最新設備を熊本県菊陽町の工場に新設すると発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.