NECは、赤外線の検出部に半導体型カーボンナノチューブ(CNT)を用いた「非冷却型赤外線イメージセンサー」を開発した。同様の従来品に比べ、3倍以上の感度を実現している。
NECは2023年4月、赤外線の検出部に半導体型カーボンナノチューブ(CNT)を用いた「非冷却型赤外線イメージセンサー」を開発したと発表した。同様の従来品に比べ、3倍以上の感度を実現している。2025年の実用化を目指す。
非冷却型の赤外線イメージセンサーは常温付近で動作する。このため冷却型に比べると、小型で安価、低消費電力といった特長がある。半面、感度や解像度の性能では冷却型よりも劣っていた。そこでNECは、温度に対して抵抗値が敏感に反応する半導体型CNTに着目し、半導体型CNT膜を赤外線検出部に適用した。
開発した非冷却型赤外線イメージセンサーは、従来から採用してきた熱分離構造や、これを可能にするMEMS素子化技術、CNTの印刷製造技術を融合し、新たなデバイス構造を実現した。そして、640×480画素のCNT赤外線アレイ素子を試作し、非冷却型赤外線イメージセンサーとして動作することを確認した。
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